丹下左膳誕生編というか、主君に刀を手に入れるのを命じられた左膳が片目片腕を失ったうえ主君に見捨てられて復讐する話で、ずいぶん陰惨。こっちの方が本当なのかもしれないが、なんとなく丹下左膳ってこういう感じという先入観と、ずいぶんずれている。リストラされたサラリーマンがキレて暴れてるみたい。
脚本が「天草四郎時貞」で東映と縁ができた石堂淑朗で、加藤泰監督の作品とすると「真田風雲録」の一つ前で、今見ると60年代的な反体制劇みたいな匂いも感じる。
ローアングルを多用し天井を入れ込んで長回しで粘った演出や、長屋の汚しなどずいぶん凝っていて、「瞼の母」はそれでうまくいったのだが、ここでは素材と合わなかったみたい。
大友柳太郎の左膳は、ちょっとまじめすぎてキチガイじみた感じがあまりしない。
(☆☆★★★)
脚本が「天草四郎時貞」で東映と縁ができた石堂淑朗で、加藤泰監督の作品とすると「真田風雲録」の一つ前で、今見ると60年代的な反体制劇みたいな匂いも感じる。
ローアングルを多用し天井を入れ込んで長回しで粘った演出や、長屋の汚しなどずいぶん凝っていて、「瞼の母」はそれでうまくいったのだが、ここでは素材と合わなかったみたい。
大友柳太郎の左膳は、ちょっとまじめすぎてキチガイじみた感じがあまりしない。
(☆☆★★★)