負け犬loser一家が孫娘のミスコン行きのために黄色いバスを走らせるロードムービー。
一家のうち「役に立たない」知的活動にかまけている二人が、それぞれ傾倒しているのがニーチェとプルーストというのが、いかにもそれらしい。もっとも、セリフで言われるようにニーチェとプルーストの生活が「負け組」かというと、どちらも少なくとも前半生はかなり輝かしい生活を送っていたので、一概にそうとも言えないが。
各キャラクターのドラマの配置はまあそつがなく、小さな女の子のミスコン(いやでもジョンベネ事件を思い出す)をアメリカ的な愛嬌の振りまきようのグロテスクなまでにエスカレートした表れと位置づけているのは納得できるが、それに対抗するクライマックスがアレというのは首を傾げたくなる。アメリカ的無神経という意味では同類に思えるのだが。
女の子の可愛さで釣っているのはこの映画自体にも言えることだし。
(☆☆☆★★)