1963年の佐藤純彌の監督デビュー作。
題名通り帝国陸軍の内務班による新兵虐めの描写(汲み取り式便所の中を這い回るというとんでもないシーンあり)がメインなのだが、その新兵が三國連太郎なのだからイジイジしたところがなく、いつとんでもない噴火を起こすかと思わせ、実際その通りになる。
軍宿舎からの脱走シーンから始まるのだが、三國自身、戦時中軍隊を脱走して逃げてきたところを母親に密告されて捕まったという人だから、見ていてまた別の感慨あり。
内務班長役の西村晃がド迫力。
有力政治家の息子をえこひいきして取り入ろうとするところなど、アメリカ映画「攻撃」と同じで、国は変われど軍隊悪に違いはないみたい。
「こんな軍隊では、ろくな兵隊は育たない。せいぜい人殺しを作るだけだ」というセリフが皮肉。兵隊とは人殺し以外の何者でもないという意味と、殺すべき相手を殺していない、というのと。
(☆☆☆★★)