prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

熊井啓 戦後日本の闇に挑む

2007年12月24日 | 映画
熊井啓が助監督についた田坂具隆監督の「土と兵隊」の抜粋につけられた解説を聞いて、手榴弾を放り込んだあとの敵のトーチカに乗り込んだ日本兵が見たものの意味がやっとわかる。足に鎖をつけられた中国兵だったのね。同作を見ていたにも関わらず、わからなかったのだから、何見ていたのだか。
逃げられないように、というのはとうぜん日本兵にも通じたものだったろう。もともと不思議なくらい「敵」の姿が描かれない映画なのだが、敵と見せて鏡に写った自分の姿を見ようとしていたのかも。

「地の群れ」の抜粋に、はっきり「ブラク」という言葉が出てくる。おっ、NHKの番組に出てきたぞ。

次回作が吉村昭原作の「破獄」で、主役は渡辺謙に決まった、その二日後に亡くなったという。実現したらよかったなあ、と今更だが思う。どちらもぴったり。


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肉眼夢記 ~実相寺昭雄・異界への招待~

2007年12月24日 | 映画
京極夏彦がメトロン星人とちゃぶ台をはさんでテレビで放映されているパネル・ディスカッション(寺田農・清水祟・山崎バニラ・唐沢俊一)を見ながらそれぞれの次元で実相寺昭雄について語り、そのまた撮り方が実相寺作品を模していると(制作は実相寺が在籍していた事務所であるコダイ)いうやたらと凝った作り。

「東京幻夢」や「春への憧れ」などあまり見られない作品の断片が見られたが、ほとんど前に天王洲アイルで特集上映されていた時に見ていたのを思い出す。その時はそれほど客は来ていなかったが。

子供用の塗り絵を実相寺が塗ったものが出てきたけれど、ちょっと普通想像つかないような塗り方をしていた。ちらっと楳図かずおのマンガに出てきそうと思ったくらい。
切った爪をコレクションしていたというのに呆れる。
「歌麿」に出た堀内正美があんまり位置を厳密に指示されたものだから、レントゲン撮るみたいに息とめて動けな
くなったと語る。

別に一周忌ということで、blue-radio.comで以前やっていた実相寺インタビューを再放送していた。ショスタコーヴィッチのおよそ誰も知らないような映画音楽などについて語っている。


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