主演 中村錦之助、中村賀津雄、勝新太郎、本郷功次郎 監督・三隅研次、脚本・菊島隆三、撮影・宮川一夫といった一流布陣の割にあまりぱっとしない。
雑賀孫一、という男が天衣無縫に振り舞えるのは鉄砲の数と扱い方に関しては無類といわれた雑賀衆あってのことで、その肝腎の使い方の描写にあまり面白みや説得力がないのが困る。
聞きかじりだけれど、雑賀衆は貫通力を強化した狙撃用の弾丸、炸裂弾、一人でも扱える小型の大砲などの火術を使い分けていたというので、ただカラスの張りぼて走らせて装填済みの鉄砲を投げ渡す、という程度ではなあと思ってしまう。
ラストもちとシマらない。
孫一と藤吉郎との、なかば敵なかば仲間という関係を演じているのが錦之助と賀津雄の兄弟というのが面白い。
(☆☆☆)