prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「28週後...」

2008年01月31日 | 映画
ゾンビものの一種なのだが、生きている死者たちの足がおそろしく速くて感染がまたやたらと早いのにびっくり。
前編の「28日後」は見ていないが、荒涼としたロンドンの街に叩き込まれるようなスピーディな映像センスの演出、カメラワークと編集が迫力たっぷり、いったん感染者が全員飢え死に(?)したあとの街に住人が戻ってくるが、米軍(!)が駐留していて絶えず監視されている、というあたりイヤでも現在の監視カメラだらけのロンドンや、米軍が治安を維持(?)しているイラクの街と同じ殺伐とした空気が満ちている。
最初のロメロ版「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」がベトナム戦争の時代の空気を呼吸していたように。

感染している者としていない者の見分けがつかないので、まとめて殲滅してしまう展開と描写は兵器の威力のエスカレートとともに鬼気迫る。

男の子の方が新しい部屋のベッドで跳ねていて、昔の家の庭のトランポリンでも跳ねている、これはラストで空に舞い上がって「解放」されるなと思わせると果たせるかなその通りになる、自然な象徴的な表現。
また続編を作りたそうな物欲しげなラストは残念。
(☆☆☆★)


本ホームページ


28週後... - goo 映画