prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ワーニャ伯父さん」 アントン・チェーホフ作

2009年03月17日 | Weblog
東京ノーヴイ・レパートリーシアターにて。
演出 レオニード・アニシモフ

席数二列で30だけ、文字通り手を伸ばせば届くほど役者に近い。
場面によっては照明がランプひとつになってしまい、ほとんど闇の中に辛うじて人の姿が浮かぶだけになる、映像はもちろん、大劇場でも不可能な陰影豊かな空間で、セリフも普通にしゃべるより小さいくらいの声で、チェーホフらしいひそやかな感情の襞が表現される。

どのキャラクターもだが、人に尽くして結局人生を棒に振ってしまうワーニャと、人に尽くされても別にいちいち感謝もしない教授のキャラクターは特にとてもひとごととは思えないくらい身近な感じがする。


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