prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「JUNO/ジュノ」

2009年03月29日 | 映画
JUNO/ジュノ <特別編> [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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妊娠についてのドラマであると同時に、アメリカの中産階級と労働者階級とが養子縁組というきっかけで出会うドラマでもある。
もっとも話は図式的な階級対立には向かうわけではなく、メインの七人の登場人物ひとりひとりがなんらかの形で一山越えるのがきめ細かく描かれているのが見もの。
養子を引き取ろうとする夫婦が親になる覚悟を求められて見せる対応が男女で退行するのと成長するのとが対照的で面白い。

どの程度アメリカ一般に通じるのか知らないが、広告を出して養子を求めたり、おなかが大きくなっても高校に通って教師があれこれ言っている形跡がないというのは、日本ではおよそ考えにくい。育てるのはムリ→育てられる人を探す、というロジックが自明で、多分裏にはうかつに中絶できない宗教的圧力もあるのだろう。
(☆☆☆★★)


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