prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「実験室KR-13」

2010年12月22日 | 映画

実験の舞台になる白一色の部屋とそこを監視する部屋だけでほとんどのシーンが展開する、出演者もほぼ無名な見るからに低予算の一作。知っていたのは管理側の責任者役のピーター・ストーメアくらい。「プリズン・ブレイク」のシーズン2の初めまで出ていたマフィアのアブルッチ役で有名だけれど、この人の舞台をナマで見たことある。イングマール・ベルイマン演出の「ハムレット」のハムレット役で、これ、今まで見たあらゆる芝居の中の文句なしの最高峰。この時の名前は出身地のスウェーデン読みで「ペーター・ストルマーレ」で、ちなみに彼はこの日本公演で知り合った日本女性と結婚しました。

と、まあこの映画と関係ないことを長々と書いているのは、映画がつまらなかったからで。
金がない分、当然知恵を絞らないといけないところなのだが、これがどうもうまくない。
政府がらみの人体実験らしいのだが、殺される人間の行動パターンなのか、殺し方の研究なのか、何を調べているのかさっぱりわからん。ただ何か政府が悪いことしてるってだけじゃあねえ。
ただ一方的にもったいぶって殺していくだけで、逃げ場所がまったくない、というかなさすぎるからスリルもない。

背景が単調なのだから、ジョージ・ルーカスの「THX1138」みたいにグラフィックな構図や音の使い方に工夫を凝らしたりしなくてはいけないところなのだけれど、そういうわけでもなし。殺し場も妙に腰が引けている。
(☆☆★★★)