自己犠牲精神(?)を発揮して自殺しようとした男が時の人になって保険会社のマスコットになって云々、という話だけれど、保険会社って自殺って一番嫌うんじゃないかなあ。佐田啓二の看板が額にピストルを当てたどアップというのは逆手をいったアイロニーなりブラックユーモアなりとも思ったけれど、マジメみたい。
吉田喜重監督の作品って、どうしても観念先行・評論家向けという印象が拭えない。後年、美学的になってからはそれなりにおもしろくはないが見ていられるが、まだ商業主義の範疇で作っている分、今見るといかにも中途半端。
(☆☆★★★)