似たような悩みを抱えた人たちが集まって順々に公平に発言していくグループセラピーってアメリカ映画・ドラマでよく見るし、日本でも一般的にやられていると思うけれど、一方でセラピーに反発する人間っていないものかと思っていたら、この映画のニコール・キッドマンがもろにやってくれます。
似た悩みを抱えているから率直に発言もできるし自分だけではないと支えあえるというのが狙いなのだろうが、いくら似たような境遇でも突き詰めていけば理解できるというものではないだろう。
おもしろいのは、ここで一番キッドマンが忌避しそうな相手、つまり子供を轢いてしまった少年にシンパシーを持つことで、単に悪意があって事故を起したのではないという建前論を超えて、また子供に執着するのが夫の方で妻の方が一見すると子供の生きていた跡を消して回るという違いも、常識とは逆のようでそういうこともあるのではないかと思わせる。
三十過ぎた息子を麻薬で失ったダイアン・ウィーストの母親の、子供をうしなった苦しみを石に喩える台詞がいい。押しつぶされそうな重い石だったのが時が経つとポケットに入る小石くらいになるが、しかしポケットに手を入れればそこにある、という。
小さい時になくそうが成長してからなくそうが、交通事故でなくそうが麻薬でなくそうが、本質的な変わりはないというのもうなずかされる。
古着を寄付するボックスというのがアメリカにはあるのか、と思う。集団セラピーにしても互助文化というのが日本が否定してきたムラ社会的なものとは別にある感じはする。
(☆☆☆★★)
本ホームページ
ラビット・ホール - goo 映画
似た悩みを抱えているから率直に発言もできるし自分だけではないと支えあえるというのが狙いなのだろうが、いくら似たような境遇でも突き詰めていけば理解できるというものではないだろう。
おもしろいのは、ここで一番キッドマンが忌避しそうな相手、つまり子供を轢いてしまった少年にシンパシーを持つことで、単に悪意があって事故を起したのではないという建前論を超えて、また子供に執着するのが夫の方で妻の方が一見すると子供の生きていた跡を消して回るという違いも、常識とは逆のようでそういうこともあるのではないかと思わせる。
三十過ぎた息子を麻薬で失ったダイアン・ウィーストの母親の、子供をうしなった苦しみを石に喩える台詞がいい。押しつぶされそうな重い石だったのが時が経つとポケットに入る小石くらいになるが、しかしポケットに手を入れればそこにある、という。
小さい時になくそうが成長してからなくそうが、交通事故でなくそうが麻薬でなくそうが、本質的な変わりはないというのもうなずかされる。
古着を寄付するボックスというのがアメリカにはあるのか、と思う。集団セラピーにしても互助文化というのが日本が否定してきたムラ社会的なものとは別にある感じはする。
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ラビット・ホール [DVD] | |
主演 ニコール・キッドマン | |
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