ヴァイオリンのソリスト役のメラニー・ロランが綺麗なので調べてみたら「イングロリアス・バスターズ」に出ていたのね。全然覚えていなかった。
何十年も掃除夫として働くことを余儀なくされていたもと指揮者の主人公が、ふとしたきっかけで元のオーケストラ仲間たちとともに別のロシアのオーケストラに成り代わってパリ公演を果たそうとする、という話のベースはコメディなのだが、そちらの方は途中から半分忘れたようになって、失われた年月と仲間の忘れ形見を取り戻す話の方に重点がいっている。
さらにクライマックスのヴァイオリン協奏曲を弾ききるカタルシスの方が優先してストーリーは曲が終わってからややばたばたという感じにまとめているけれど、それで良かったとは思う。音楽にモノローグがかぶってジャマするのは仕方ないとはいえ、スポークン・タイトルで処理するとかできなかっただろうかと思う。それくらい音楽というのは有無を言わさないところあり。
ロシアからやってきてフランス共産党の会合で演説するのに生涯をかける共産党員なんていうのも出てくる。フランスは良くも悪くも実際に革命で世界をリードした国としてロシアと並ぶわけだが、このあたりのシンパシーの機微はちょっと想像を越えたところがある。
(☆☆☆★★)
本ホームページ
オーケストラ!@ぴあ映画生活
オーケストラ!@Movie Walker