主役のウェズリー・スナイプスが脱税で実刑をくっていたのは知っていたから、「おまえは刑務所行きだ」なんてセリフが妙にリアルに聞こえたりする。(この四月に仮釈放)。
続編には違いないのだけれど、これはビデオリリース用。
ただし画面サイズも1:2.35のスコープサイズだし、それなりに金もかかってはいて、セガールの沈黙シリーズの後の方みたいにあからさまな予算縮小はそれほど目立たない。
いかにも銀座シネパトス向け(2009年公開)だったし、今ではこういうアクションものはテレ東午後のロードショーか新橋文化くらいでないと居場所がない感じ。
武器商人が小型のミサイルライフルを売り込もうとして政治家の暗殺とかが絡むのだけれど、なんかこの新兵器がどういう狙いで作られているのか、というより映画の中でどう位置づけているのかよくわからない。携行型で厚い鋼板の装甲も打ち抜くというのが売りなのだから、クライマックスあたりで装甲車に一人で立ち向かってやっつける、といったシーンでもないとサマにならないのが、敵が乱射して柱を打ち抜いてばかりで(しかも背後に隠れていた主人公に当たるわけでもない)、しまいに打ち抜いた柱が一斉に折れて天井が崩れてきて自業自得式にオダブツというのは、なんだかショボい。
パーティ会場でガラス戸の向こうでは華やかなパーティ、こちらの暗がりではブルータルな格闘が繰り広げられているという趣向は、アイデアはいいけどカットバックしすぎ。
アート・オブ・ウォーが孫氏の兵法の意味なのが再び語られるけれど、それがあまり関係ないのも前作同様。
(☆☆★★★)