上が切れているが、バックはミニチュアの前にしゃがむ川北特技監督。敷石まで作りこんでいる。左から樋口真嗣監督と、アニメ・特撮評論家の氷川竜介氏、本作の特撮監督をつとめた川北紘一氏。
バックは特撮用絵コンテ集。
参加記念バッヂ。
同。
秋葉原のUDXシアターにて。
1980年の日本テレビ「木曜ゴールデンドラマ」枠で放映された「東京大地震マグニチュード8.1」の16mm映写機を使っての上映会。まだ東日本大震災の爪痕が生々しいので日本映画専門チャンネル枠では放映不可能ということらしい。
上映後には、チャンネルで好評放送中の「特撮国宝-TOKUHO-」企画監修:樋口真嗣監督と、本作の特撮監督をつとめた川北紘一氏、アニメ・特撮評論家の氷川竜介氏のスペシャルトークショーを開催。
監督:西村潔
特撮監督:川北紘一
脚本:下飯坂菊馬、笠原和夫
キャスト:千葉真一、竹下景子、柴俊夫、中島ゆたか、赤塚真人、木内みどり、穂積隆信 他
音楽:笠路正徳
制作:よみうりテレビ、東宝映像
作品詳細
1980年に日本テレビ「木曜ゴールデンドラマ」枠で放送されたスペクタクルドラマ。巨大地震に見舞われた東京とそれを生き延びようとする人々の姿をドラマチックに描く。川北紘一特撮監督による繊細かつ大胆な地震の描写はテレビドラマの領域を超えた圧倒的な迫力。西村潔監督による人間ドラマも見どころ。
※ 阪神大震災・東日本大震災が起こってから見ると、もっぱら火災の心配をしているのがわかる。関東大震災と東京大空襲の記憶からだろう。
火炎旋風(劇中のナレーションではハンブルグ旋風と呼ばれる)を作るのに実際にプールの上で火炎放射して旋風を起こしたのを撮って合成したり、6メートルはある新宿副都心のミニチュアを作ったり、ずいぶん大掛かりでテレビという感じではない。制作費1億5千万(実際は1億くらいだったらしいが)で、「西部警察」1本が2500万円というのが売りだった時代の話。
東宝映像にストックフィルムは一切使うなと厳命されていたとのこと。
車がガソリンスタンドに突っ込んで爆発炎上というシーンで運転しているのが川北監督自身。なんか嬉しそう。
広島のテーマパークだかで上映された巨大タコが帆船を襲うシーンが上映される。実はタコに人が入っていて前の脚を操作し、タコの背後に隠れた人が二人羽織みたいに両手に脚をはめて後ろの脚を操作していたという仕掛けなのが可笑しい。こういう博覧会などのために作られた映像が全国に散らばっているので、集めて保存できないかと川北監督の発言あり。
ドラマの方は、大物政治家(岡田英次)の秘書(千葉真一)が、それまで親分の娘と結婚して地盤を割り振りもらって選挙に出馬するのを目論んでいたのが、震災にあって竹下景子ほかの普通の人たちを助けているうちに、無責任な政治家と手を切って目の前の人を助けるよう決心するに至るというのが一応核になっている。
婚約者が上役の娘と結婚することにしたのをあきらめきれずにつきまとう竹下景子の役を「重い」と樋口監督が一言のもとに評する。「ブルークリスマス」でもどういうわけか似たような重い役をやっていたとも。
ディテールが正直相当に荒っぽく、一緒に閉じ込められた人たちが千葉ちゃんが出て行って帰ってくるまで何もせずにただ待っているだけというのはどんなものか。あまりに主体性がなさすぎ。
わあわあ騒ぐ大人を子供がひっぱたくシーンでは失笑が起こっていた。
政治家が震災の後でも贅沢な仕出し弁当を食べて高級洋酒を飲んでいるというのは、ちょっとカリカチュアがすぎやしませんか。
タイトルに中山一也の名があったような気がしたが、「IZO」の主役とか、松竹セントラルに車に突っ込んだとか、倉本聰の家の前で切腹したとかした人ですか。