トニー・レオンにあたる暴力団に潜入した警官が西島秀俊、アンディ・ラウにあたる警察に潜入した暴力団員が香川照之。ちなみにハリウッド・リメイクではレオナルド・ディカプリオとマット・デイモン。香港オリジナルがオリジナルであることによって一番ではあるけれど、ではまったく代替不可かというとそんなことはないので、基本的な発想が黒澤映画のように単純明快でだから変奏可能ということになるだろう。それぞれ男っぷりの良さを競うことになるが、並べると香川照之だけ二枚目ではない。
二人の男が互いに鏡像のような関係になるのだが、ナルシズムより「龍馬伝」以来の歪んだ嫉妬の感じの方が強くなった。
今回は洋画風に格好つけた演出なのだが、映画館で秘密の話をする、とか、警察と暴力団が街中で銃撃戦を繰り広げるというのはどうにも不自然で困った。
もともとナルシズムと泥臭さとがせめぎあうのがおもしろいところで、その配分がそれぞれ違う。
全体に男ふたりの一種の様式美で見せるので、女の出番が弱くなるのはいたしかたない。
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