父親は幼い息子を道場破りで稼ぎながら育てしまいには惨めに殺されてしまうのに対し、罪人の方は無力な相手に喋れば助けてやると言っておいて情報を聞き出したら突き殺してしまう、それも三度傘をさしかけておいて血しぶきが自分にかかるのを避けるという具合にまことに冷酷で残忍。これを演じ分けるのは西村晃としては別に難しくはないだろうが敵役と愛憎ないまぜた感情を持つのはドラマとしての陰影をつけた。
これはシリーズ二作目だが、血しぶきはやや抑えた感じ。
西村が刀を片手で持ち背中を丸めて突進する姿は「十三人の刺客」(1963)を思わせる。これが1967年製作だから、あの剣客役を念頭にして起用したのか。
夏八木勲はまだ主演級になって間もない頃で、とにかくがむしゃらに暴れている感じ。
五社英雄の名を売った刀で人を切る斬殺音のほか、冒頭の水車の音が強迫的に響き女を狂乱させる効果など、音の使い方に工夫がみられる。「薄化粧」のラジオの音とか、「出所祝い」の津軽三味線の使い方とか、耳のいい監督なのだな、と思った。
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