でかい白人がぽこーんと日本人投手の投げた球を打つところは見せるのだが、その打球がスタンドに飛び込むところは見せない、といった調子で、ホームランになったのだろうなとは曖昧にわかるのだが、見てわかるようになっておらず、具体性のないことおびただしい。ラストの試合もどういう展開になったのか曖昧なままズルズルと負けてしまうので、まるで盛り上がらない。
英語のわからない日本人移民が「勝った勝った」と盛り上がるのは、ブラジルの勝ち組になぞらえたわけでもないだろうが、意味不明。
野球のおもしろさやスリルが表現されないのでは、お話の根幹がまるで成立しないことになる。ちょっと呆然としてしまった。
野球のプレイに絡めたらキャラクターの表現など絶好のはずなのだが、その野球が描けていないのだから贅沢なキャストも無駄遣い気味。「私を野球に連れてって」のそらぞらしいこと。
日本人町のオープンセットは大がかりで緻密で質感もよく出ていて見ごたえあり。日本人が差別される描写はなんだかおそるおそるという感じ。
まったく関係ないが、昔カナダ大使館に空地があった頃、近くの子供が野球に使うのに提供していたことがあった。
(☆☆☆)
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