prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「セッション」

2015年05月23日 | 映画
原題はwhiplash=ムチ打ち。ジャズのスタンダードの曲名でもあるわけだが、邦題をセッションsessionとしてのはわかりやすくはあるけれど、内容とは真逆に近い。とにかく教師フレッチャーと生徒との関係は、もうまるっきり「フルメタル・ジャケット」のハートマン軍曹かアメリカ版星一徹みたいな完全に一方的なもの。互いにやりとりする、何物かをやりとりする生き生きとした関係とはほど遠い。

梶原一騎について「英雄伝説の世界」と評した人がいて、つまり最初から選ばれたキャラクターだけが機能していてその他は単なる捨て駒にしかならない世界観のことを評したわけだが、それがここにもそっくり当てはまる。
主人公以外のキャラクターはことごとく主人公との関わり(それももっぱら損得)でだけ成り立っていて、それ自体独自に生きて動くことが基本的に許されていない。ドラマの作り方とすると迫力はあるけれど、ずいぶんいびつで、女の子の切り捨て方などひどいもの。

チャーリー・パーカーがシンバルを投げつけられた挿話が才能を開花させる方法のひとつのシンボルになっているわけだが、別に不必要な屈辱を与えられなくても才能開花させた人も多いのではないか。努力するのと他から屈辱を与えられるのとは別で、それが意図的なのかどうかごっちゃになっている。

事故にあっても根性で演奏会場でかけつけるってスポ根そのまんまの非合理的な意地の張り方。フレッチャーの自分の損になるに決まっている罠のかけ方といい、終盤展開が混乱している。こういう視野狭窄な世界に一種の魅力があるのはわかるが、クライマックスも音楽の快楽とは別のところに行っている感。
もっともそういった欠点が一方でいびつな迫力につながっているのは確か。

鬼コーチ役のJ.K.シモンズはテレビのLAW & ORDERの刑事事件にあたって精神鑑定にあたる精神科医・スコダ博士をセミ・レギュラーとしてずうっと出ていた人だが、あそこで見せた話す相手と距離感を保ちながらじっくり話を聞く姿勢とは似ても似つかないほとんどサイコなくらい相手を追い込んでいく迫力に恐れ入る。
(☆☆☆★★)


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映画『セッション』 - シネマトゥデイ

5月22日(金)のつぶやき

2015年05月23日 | Weblog

TSUTAYAさんのフリーペーパー6月号が届きました。6月の「発掘良品」はタルコフスキー祭り。10日からです。 pic.twitter.com/42EBtSEuv7

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↓マット・ディロンは銀座ハンター(中古レコード店)で夢中になってレコードを漁るあまり映画会社が予約していたレストランに行く時間がなくなり、数寄屋橋阪急の蕎麦屋に連れて行ったところ大満足したという素晴らしい来日エピソードがある。変わらず庶民派!

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 152 RT

yapoono6さんの脳内は「厨」55%「妄」15%「恋」10%「星」10%「愛」10% ポイント:230pt ランキング:73656位 twimaker.com/?ref=yapoono6 #twimaker


イギリスの兵器「なんでそれを作ろうと思ったの?」
フランスの兵器「なんで作った結果がそれなの?」
ドイツの兵器「なんでそれが作れたの?」
日本の兵器「なんでそこまでしてそれを作ったの?」
アメリカの兵器「なんでそんなに作ったの?」

ソ連の兵器「なんでまだあるの?」

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 6820 RT

馳浩もずいぶん色々な役職を務めるなあ。そのいち大臣にでもなるのではないか。元高校教師としての発言出るかな。 #ss954


映画「平成ジレンマ」では戸塚ヨットスクールで不登校児ばかりでななく、ひきこもりしている20代30代を引き受けて、戸塚宏ですら(というか)持て余している姿を見せていた。職業訓練して良い線いっても社会に戻る寸前で何を思ったのか放り出したり。 #ss954


アメリカみたいに学校に行くと進化論に毒されると家や私塾で教育するというのもどうかと思うが。 #ss954


馳は臨死体験したことあるけれど、今になって後遺症が出てきたんじゃなかろうな。なんか元気ない。 #ss954