香港の原発がサイバー攻撃を受け、中国情報室の若い将校がアメリカの大学の同窓の親友で服役中の名ハッカーとコンビを組んで捜査に乗り出す、本来だったらこの中国人将校が主役になるところだが、そのうちその妹とアメリカ人ハッカーとのカップルの逃避行と反撃に主軸が移ってしまうのに結構あからさまに諸般の事情がうかがわられます。ブルース・リーからずいぶん経つが未だに東洋人の男はヒーローにはなりにくいのだな。
舞台は香港の他インドネシアとマレーシアで、日本のにの字も出てきません。宣伝でも中国色を消していたと思う。これも諸般の事情だろう。
ヒロインのタン・ウェイ(湯唯)は「ラスト、コーション」の主役だけれど、今回は髪形のせいもあってなんだか仲間由紀恵似です。兄役のワン・リーホン(王力宏)は同作で抗日活動をヒロインを誘う友人役で共演済。
香港の夜景がマイケル・マン印のクールなタッチで描かれるのがおもしろいところ。
サイバー攻撃の話というのは具体的な映像にしにくいのだけれど、実質男女ふたりの逃避行とアクションに仕立てているのが映画的な工夫。クライマックスでは現地のローカル色を生かした趣向と、肉体を使ったアクションに持っていっているのがいい。
マンの作品としては初のオールデジタルカメラ撮影(これまでも部分的には使っていたが)だというが、洋画では珍しいくらいデジタルのテクスチュアがあちこち目立つ(洋物はテレビでもビデオで撮りましたという感じにはあまりならない、フィルム的ルックなのはどういうわけだろう)。夜の場面が多いせいか。ワンカットの中で急激にスローモーションになる処理などデジタルでないとムリだろう。
(☆☆☆★)
本ホームページ
公式ホームページ
ブラックハット@ぴあ映画生活
映画『ブラックハット』 - シネマトゥデイ
舞台は香港の他インドネシアとマレーシアで、日本のにの字も出てきません。宣伝でも中国色を消していたと思う。これも諸般の事情だろう。
ヒロインのタン・ウェイ(湯唯)は「ラスト、コーション」の主役だけれど、今回は髪形のせいもあってなんだか仲間由紀恵似です。兄役のワン・リーホン(王力宏)は同作で抗日活動をヒロインを誘う友人役で共演済。
香港の夜景がマイケル・マン印のクールなタッチで描かれるのがおもしろいところ。
サイバー攻撃の話というのは具体的な映像にしにくいのだけれど、実質男女ふたりの逃避行とアクションに仕立てているのが映画的な工夫。クライマックスでは現地のローカル色を生かした趣向と、肉体を使ったアクションに持っていっているのがいい。
マンの作品としては初のオールデジタルカメラ撮影(これまでも部分的には使っていたが)だというが、洋画では珍しいくらいデジタルのテクスチュアがあちこち目立つ(洋物はテレビでもビデオで撮りましたという感じにはあまりならない、フィルム的ルックなのはどういうわけだろう)。夜の場面が多いせいか。ワンカットの中で急激にスローモーションになる処理などデジタルでないとムリだろう。
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