それが本当に最後まで銃をとらないというのは珍しい。ただし聖書を根源とした信念をアメリカの国是としての思想と信仰の自由として認められているという理屈で、日本でいうような平和主義とは違う。
このあたりの文字通りの宗教に根差した信念というのは日本人としてはやはりなじみにくい。
殺すことでなく助けることで戦争に貢献した男、というフレーズだけれど、では敵を助けるのはどうなのだ、という疑問は当然湧いてくることになり、日本兵を助けたけれど手当の後死んだというなんだかアリバイ合わせみたいな結末になっている。
「プライベート・ライアン」以来というふれこみだけあって戦闘シーンはまことにすさまじい。ネズミがちょろちょろしている生理的な気持ちの悪さも相当なもの。ただ「ライアン」にあった何が起こるかわからず不意打ちのように弾丸や砲弾が飛んでくる呼吸と違って弾幕で覆いつくして息もできないような演出。
(☆☆☆★★)
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