原題はThe little Chaos=小さなカオス。何度か作中で秩序を尊重せよ、といった対話がなされるけれど、王宮側=秩序で対する女性庭師が混沌を持ちこむという図式なのかというとそうでもない。
すでに庭師としての地位を持っているは一方で女性を足掛かりにして地位を手にしたことにコンプレックスを持ち、その分ヒロインに当たるかと思うと引き立てたりもする。ルイ14世(監督を兼ねたアラン・リックマン)はヒロインと初めて会う時は王としての顔を隠してただの花を育てる係のような顔をする。
それぞれの人物が矛盾した面を孕んでいる描き方は当然とはいえきちんとしている。
実話ネタなのかと思ったらまったくのフィクションというのはちょっと調子が狂うが、もっともらしい調子でフェミニズム映画として宮廷ものを切り取っている。宮廷に女性はつきものだけれど、指導的な立場で働くとなると珍しい。
(☆☆☆)
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