ヒロインのマラが刑務所に入っていた男の赤ちゃんを一人で産みイヴァンと名づけるところから始まり、誰にも頼れない中、一番あてにならない男となかなか手を切れずぐずぐずと一緒に行動し、イヴァンを手放したり取り戻したりする、一種の地獄巡りのような感がある。
日本でもいくらでも週刊誌ダネになりそうな一歩間違えたらどうなるかわからない女とその赤ちゃんを徹底して密着して描く。
児童福祉士もマラを突き放して扱い(客観的に見れば当然だが)イヴァンを引き取る里親もなんだかあてにならないのではないかと思ったら、里親どころか先輩の里子たちがイヴァンが来ると自分が追い出されると敵意を見せるのにはぎょっとした。
ヒロインを演じるマルシャ・マイェル Marusa Majerはほとんどノーメイクで徹底したリアルな演技を見せ、お乳が張って洗面所で母乳を絞り出すのを顔を入れ込みで見せるのには驚いた。どうやったのだろう。
エンドタイトルによるとイヴァン役は五人でやってアニマトロニクスを併用しているらしい。
Ivan - IMDb