原題はThe Pagan King(異教徒の王)。Paganというのは語源であるラテン語のpaganusからすでに田舎の山猿といった侮辱的なニュアンスがあるらしい。
13世紀ローマの侵略にさらされたバルト沿岸の小国(というより部族)がいかに抵抗し撃退したかを描く内容だけに、言葉が英語というのはローカルな個性を消しているわけで、マーケットを考えると自ずとそうなるのだろうが残念。
製作スケールはかなり大きいが、戦闘シーンは大群集とまでいかず数十人規模なのがむしろリアル。
戦闘シーンで人体破壊描写があるので子供に見せるのには配慮が必要ですと国立映画アーカイブの上映にあたっての注意書きがあったが、見たところ子供はおらず毎度ながら年配客多し。
歴史劇で人体破壊ということからポール・バーホーベンのFlesh + Bloodばりかと思ったらそれほどでもない。
悪役がとにかく卑怯で臆病で残忍で、伏線の張り方と回収がわかりやすすぎて、と全体とすると大味。
キリスト教を後ろ盾にした侵略主義と偽善性を堂々と描いているのはいい。
バルト・キングダム - 映画.com