フランス映画で、それほど製作費もかかっているように思えないが、音という具体的な形となかなか結び付かないモチーフを扱ってああでもこうでもないと行き来するストーリーのジグザグな展開がスリリング。
「ギルティ」みたいなワンシチュエーションドラマとも、「カンバセーション 盗聴」みたいな不条理スリラーとも違う、終わってみるとオーソドックスなスリラー。強いていうなら、「ミッドナイトクロス」型というか。ただし、後味は悪くない。
技術者タイプで融通のきかない夫とキャリア指向の強い妻との関係の変化するドラマでもある(初めのうち、夫婦だと思わなかった)。