キリエというとキリスト教でいうギリシャ語で「主」を意味するらしい。
それほど宗教色の強い内容ではないので、キリエ・エレイソンという言葉の響きそのものが耳に残ること自体が狙いだろう。
主演のアイナ・ジ・エンドは声を出すのがはばかられる喫茶店で注意しようとした店員が呑まれてしまい、他の客と一緒に拍手するといった(この段取りが上手い)凄い発声で、エディット・ピアフが初めは街角でマイクなしで歌っていたというエピソードを思わせたりした。
もっとも今は街頭で歌うのに許可は必要ないのかなとひっかかりもするのが余計なのだが(そういうことを気にすること自体が余計なのだが)、後の方で仲間と客を集めて警察の前で堂々と歌う。