prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」

2024年01月12日 | 映画
シリーズもので時間的に遡った作りというのは今や珍しくないが、もともとシンボリックなキャラクターとして出てくるウォンカをはっきり主役に据えたのは思い切りがいい。

ティム・バートン版のリメイクは今にして思うとかなりビサールなケレン味の強いアレンジだったけれど(ジーン・ワイルダー主演版はそうでもない)、今回はおとぎ話か童話っぽいテイストに寄せている。チョコレートを食べるとふわふわ宙に浮くなどファンタスティックな情景。

主役のティモシー⋅シャラメは少女マンガから抜け出てきたみたいとかなり言われたものだけれど、人食い役の「ボーンズ アンド オール 」ですらロマンチックな持ち味を保っていたのを生かして、優男でも腐らずへこたれない。

ヒュー・グラントがこれまでのウンパルンパ役とは違ってキャラクターを単一にして立てている。
草刈正雄ではないが、若い時の二枚目が歳をくってから三の線に寄せて大成功したいい例だろう。