prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ゴールデンカムイ」

2024年01月30日 | 映画
プロジェクトとすると原作のどこまで映像化するのかと思う。原作が完結していることは知っているが、実は結末までは読んでいない。

長編マンガの原作はどうしても人気のあるうち、つまり連載中に他のメディアに移されることが多く、「あしたのジョー」が連載途中でアニメに追いつかれてしまい、10年後に改めて「2」としてやり直せたのは例外で、それだけきちんと終わっていてラストまで見通せたからだろう。
「進撃の巨人」「鬼滅の刃」といった人気連載が完結しても人気を保てるよう他のメディアに乗り換えながら飽きさせないのは進歩。

キャラクターの再現度が高い割に役者の地もちゃんとわかる。
アシリパの山田杏奈が大きくなったのは例外として変顔の再現度は高いのが可笑しい。童顔に対してきりっとした喋り方が良く、杉本がアシリパさんとさんづけで呼ぶのが不自然ではない。
目が青いのについて何の説明もしていないが、続きまで待てということでしょうね。
終盤長めの回想が入るのは続編に繫ぐためだろうが、唐突に高畑充希が出てくるあたり、これだけ見るにはややバランスが悪い。

クマやオオカミのCGの出来は合格点。クマは日本映画では古くは「君よ憤怒の河を渉れ」から「リメインズ 美しき勇者たち」「デンデラ」に至るまで鬼門だったわけで、安心した。

クマの巣穴の中からの視点で外で何が起きているかを切り取って暗示しながらワンカットで見せるあたりの映画的演出がいい。