タイトルに偽りありで、山荘は実際には雪に閉ざされてはいない。そういう見立てあるいは「つもり」で演じなさいという指示があるだけ。
この指示してくる劇作家兼演出家というのが終始姿を現さない処理が結構中途半端なのは気になった。
山荘の2Fを真上から見取り図みたいな平面に開いて見せる「ドッグヴィル」みたいな趣向がちょっと面白い。階段を降りて1Fに向かうと姿が消える。
こう言うとなんだが、集められた集団が歳がみんな20代後半で、役者らしくそれなりに美男美女となると顔が見分けにくい。
アメリカ映画みたいに人種が違えばともかく。
作中に出てくる「そして誰もいなくなった」みたいにフラットな人物配置で途中まで通して、そこから誰か特別な存在(たとえば探偵役)に移行する処理は難しく、この場合かなりムリしているように思える。
劇中に出てくるビデオ映像に記録されている日時は2024年3月4日から7日にかけての4日間。
つまり劇場公開されている時点より未来ということになる。
エンドタイトルで大塚明夫の名が出たと思った。姿を見せない演出家の声か?