「哀れなるものたち」「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス 監督の12分の短編。
チェロ奏者のマット・ディロンが朝、アイマスクをしてベッドで寝ている妻のそばで目覚め、茹で卵の朝食を摂り、出勤してチェロの練習をして、といった日常的なスケッチが綴られるのだが、地下鉄で向かいの席に座った女性ダフネ・パタキアに時間を訊いたのをきっかけに、その女性がいつの間にか家庭内でもオーケストラの地位も彼の座に居座ってしまう。
妻と女が夫婦みたいに並んでそこに子供もいる家庭という図になるわけだが、何事もなかったかのように淡々としているのがなんともいえず異様。