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渡辺謙や加瀬亮が出演していることからもペルー日本大使公邸占拠事件をモデルにしているのははっきりしていて、当時のペルー大統領のアルベルト・フジモリのそっくりさんが出てきたりもする。
もっとも外部との交渉や突入作戦の練り上げといったこれまで報道された外からの視点による要素はカットして、監禁している者されている者の間の一種のストックホルムシンドロームというか親密化が細かく描かれている。
有名人であるオペラ歌手のジュリアン・ムーアを女性は先に解放するという基準に反して解放しないで留め置かれるあたりから、ノーブレス・オブリージュ(高い地位にある者の責任)といったモチーフが入っている。
ゲリラはありがちな凶暴で非人間的なテロリストとしてではなく、子供も混ざった抑圧された存在としても描いていて、全体にフォーマルに誰かを悪に仕立ててそれをやっつけることでカタルシスを生む作りを避けている。
実際の特殊部隊はゲリラを鎮圧したあと、女性ゲリラをレイプしたり、殺したゲリラの首を切り落としたという話もあるが、そういう場面は描いていない。