prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌」

2023年10月15日 | 映画
パリを舞台にしたプッチーニのオペラをニューヨークに舞台を移し、東洋人(日本人を含む)やプエルトリコ、メキシコ系など多彩な人種にキャストを割り振って製作している。

映画でもリアリズムから離れて(もともとオペラなのだから当然ではあるのだが)生活感という点ではリアルな作り。
およそ、きらびやかではない。

プッチーニの時代のボヘミアン(ボエーム)は風俗的な最先端としてあったわけだが、今だとニューヨークということになる。
さらにここから派生した「レント」にも逆に近づけているということだろう。




「バーナデット ママは行方不明」

2023年10月14日 | 映画
建築家(というのにとどまらないが)として大きな賞を受賞して、それきりになっているケイト・ブランシェットが夫や娘に対して鬱憤をぶつけるような展開にならないのはいい。
隣人がカッカしているのに言い返さずどこか間を外したような反応を見せる。

終盤、南極に行くのが家族にとっては相当な負担だろうなのをのほほんとやってのけるのも余裕。

娘が指揮する学芸会で「ぞうさん、ぞうさん」が歌われるのにあれと思って調べてみたら、エンドタイトルにはtraditionalと出たが團伊玖磨作曲としている記述もある。どうなってるの。






「コカイン・ベア」

2023年10月13日 | 映画
熊がもうもうたるコカインでラリるというのが見せ場なのだけれど、あんなに大量に摂取したらいかになんでもオーバードーズにならないのかと思った。

熊のヴィジュアルがすこぶるリアルで、どうやって作っているのかと思う。C

人間の手足をちょっとマンガ調にぽいぽいと食いちぎるあたりあまりブラックにせず軽めに演出してある。

レイ・リオッタはこれが思いがけず遺作になった。





「オクス駅お化け」

2023年10月12日 | 映画
韓国映画で脚本が高橋洋(イ⋅ソヨンと共同、白石晃士協力)というのが注目だったけれど、井戸は出てくるわ、呪いは感染するわでまるっきり「リング」じゃないのと驚いた。

ビデオにダビングするという今になると古めかしい方法の代わりに、四桁の数字を伝えていく(それが何なのかはかなり後まで伏せられる)というもっと古めかしいがそれだけに古くならないやり方を採用したのは工夫。

ショックシーンのメリハリは日本映画とは違う気がする。断言はできないが。
井戸を埋め立てて地下鉄にするというのはややピンとこない。





「コンフィデンシャル 国際共助捜査」

2023年10月11日 | 映画
北朝鮮(とは字幕では出なかったと思う)出身者が南朝鮮に出歩いている設定で、昔の「ブラックサンデー」みたいに他人の庭で鬼ごっこの感がある。
クライマックスで大がかりなテロの仕掛けはあるし。

もっとも全体とすると気楽な娯楽映画で、特に妻子の扱いなどずいぶんと軽い。





「ジョン・ウィック コンセクエンス」

2023年10月10日 | 映画
上映時間約3時間。後半になると、客席から外に出て行ってすぐ帰ってくる客が目立った。用を足しに行ったのだろうね。

パリの風景がよく生かされていて、エッフェル塔の麓であるとか、凱旋門のロータリー、モンマルトルの階段などアクションシーンの背景として大いに活用されている。

ガン=カタをコンパクトにしたみたいな連射が新鮮。
この手のアクション映画ではおなじみといっていい長回しもひと工夫を加えてリフレッシュしている。

銃を手に背中合わせに何十歩か離れて撃ち合うなんて様式美を見せてくれるのにちょっと驚いた。

真田広之がドニー・イェンよりだいぶ前に退場するのは残念。
ドニーが座頭市そのまんま。





「BAD LANDS バッド・ランズ」

2023年10月09日 | 映画
バッドランズというとテレンス・マリックの長編第一作と同じタイトルなのだが(原作は黒川博行 「勁草」)、特にシネフィル的な体質を今さら出したわけではない。

特殊詐欺をやっているグループのアジトに「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」といった戦時中のスローガンが貼ってあるのが妙にメタファーとして通じる。

大阪を舞台にしていてもセットのデザインなど微妙にアメリカンテイスト。

宇崎竜童がいい味を出している。




「アリスとテレスのまぼろし工場」

2023年10月08日 | 映画
古い工場に爆発事故があってからというもの、空間全体、画全体にひびというか亀裂が入っている。

そこの一組のカップルに(男の方が一瞬女かと思わせる)に女の子を加えた組み合わせで、時制がふたつ同時に並行するような世界観で進む。
かなり凝っているけれど難解ではなく、地方の衰退が非可逆的に進んでいるのもわかる。
都会が「発展」しているかどうかも、疑問ですけれどね。





「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」

2023年10月07日 | 映画
暗い画面におどろおどろしい雷鳴が鳴り響き、豪雨がベニスの運河に降り注ぐ。音楽がヒドゥル・クドナドッティルというのが
観光映画のきらびやかさとは縁を切って、交霊会の雰囲気に合わせてある。

ポワロに近づいてくる女性推理作家があからさまに利用主義的で、二度の大戦を経て引退しているという設定に見合っていて、これがどう逆転するかが興味になる。

ミシェル・ヨーを除いてオールスターとほぼ手を切っているのは異色というべきか。





「ハント」

2023年10月06日 | 映画
「イカゲーム」の主演のイ・ジョンジエが監督も兼任し、チョン・ウソンとダブル主演した。
実は主演俳優が監督を兼任したとは思わなかった。
アクションシーンがすごい迫力で拷問シーンもエグい。

日本のシーンもあるのだが、微妙に文字が実際のとはずらしてある。
光州やタイなどずいぶんと舞台を広げていて、韓国現代史と対応している。

南北朝鮮を統一する方法論として、現体制としての分断国家より、おそらく統一が想定された国や、実際に流された血の方が優先しているのが興味深かった。




「グランツーリスモ」

2023年10月05日 | 映画
ゲームでレースの疑似体験をしていた青年が現実とは次元の違う畳水練だろうと思われたのが、逆にイメージで現実をねじ伏せていたのがわかってくるという実話。

これ、カーレーサーが実際に走る前にイメージが先行しているというのは実は珍しいことではないので、逆にあまりに漠然と現実に振り回されてはかえってまずいともいえる。

それ以前に今のゲームというのは凄い精密なシミュレーションとして機能している。
カメラワークと編集に淀みがない。





「7BOX セブン・ボックス」

2023年10月04日 | 映画
カメラワークがすごくシャープで、歴代の映画製作本数が20本にも満たないというパラグアイで製作された割にというのは失礼で、違う登山口から登ってきている感じすらする。

カネが要る少年が紙幣をふたつに千切るというのが今のキャッシュレス社会だと逆に目新しく見える。




「ブリグズビー・ベア」

2023年10月03日 | 映画
わざと傷や歪みを入れてある画像でヒーローもののテレビ番組が放映されるところから始まる。

一見ありふれた両親とティーンの息子という取り合わせなのだが、かなり息子の方が空想的だなと思っていると、一転して警察が突入してきて「息子」を「両親」から救出する。つまり両親と見えていたのは幼い時に子供をさらった誘拐犯だったというネタバレを冒頭でやってしまう。

それから後の展開は手探りしながらという感じで、空想の中の悪の帝王が現実に陥入してきたりして、空想と現実の間でぐらぐら揺れる。

「スター・ウォーズ」のヒーローインタビューたるマーク・ハミルが誘拐犯役というのは後からつじつまを合わせる。




「血まみれギャングママ」

2023年10月02日 | 映画
ブル―ス・ダーンが湖に豚を放り込みワニをおびき寄せてマシンガンで撃つというシーンがあるが、今だったら動物虐待になるでしょうね。

冒頭で若い時のママが兄弟に犯されて、結婚して男の子が生まれたら絶対にマザコンに育てると誓うところからしてイカれている。
長男がドン・ストロードで一番重い役なのだが、次男のロバート・デニーロ(もう若い若い)がどうしても目立つ。麻薬の打ちすぎで死ぬとか見せ場多いし。

流血場面で弾着を使わず単に血糊を塗るだけ。弾着を使った「俺たちに明日はない」(67年)と「ゴッドファーザー」(73年)の間の1970年製作とあって、まだ弾着は一般的ではなかったのだろう。

それにしても、ロジャー・コーマン96歳で存命中っていうんだからすごいわ。




2023年9月に読んだ本

2023年10月01日 | 
読んだ本の数:21
読んだページ数:3671
ナイス数:0

読了日:09月01日 著者:ヤン ヨンヒ




読了日:09月01日 著者:小池 水音




読了日:09月01日 著者:スティーヴン キング




読了日:09月01日 著者:坂本 龍一




読了日:09月01日 著者:ちばてつや




読了日:09月01日 著者:ちばてつや




読了日:09月01日 著者:ちばてつや




読了日:09月01日 著者:ちばてつや




読了日:09月01日 著者:ちばてつや




読了日:09月01日 著者:ちばてつや




読了日:09月01日 著者:ちばてつや




読了日:09月01日 著者:ちばてつや




読了日:09月01日 著者:ちばてつや




読了日:09月01日 著者:ちばてつや




読了日:09月02日 著者:安井 浩一郎




読了日:09月07日 著者:高鳥 都




読了日:09月08日 著者:デイヴィッド・アッテンボロー



読了日:09月09日 著者:蓮實重彦,黒沢清,万田邦敏,青山真治




読了日:09月10日 著者:ハーパー・リー




読了日:09月11日 著者:池辺 晋一郎




読了日:09月30日 著者: