チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「オリーブキタリッジ、ふたたび」 エリザベスストラウト

2021年08月12日 | 

雨、24度、82%

 「オリーブキタリッジ」に続いて続編「オリーブキタリッジ、ふたたび」を読み終えました。「オリーブキタリッジ」は10年近く前に刊行されていましたが、私が手にしたのは今年です。「オリーブキタリッジふたたび」の書評を読み前作を読んでみようと2冊を取り寄せました。2冊共和訳が出ています。

 オリーブキタリッジはアメリは北東部に住む女性、72歳から86歳までが2冊にわたって描かれています。本の刊行は10年空いていますが話は前作から引き続いています。夫を亡くしたオリーブは2度目の夫と出会い、その夫も他界したあと老人ホームに入ります。彼女を取り巻く人たちを通してちょっと頑固で偏屈なところもある決して可愛いおばあさんと言えない「オリーブ」が描かれています。

 短編が脈絡なく続くのですが、最後には話は一つに落ち着きます。読んでいて短編集だと気付かずにいました。作者のエリザベスストラウトはまさに私と同じ歳です。「オリーブ」という自分より年上の女性を描く、つまり自分の将来を見据えた小説です。高齢者、特に女性の日常疾患の描写など、まだ私も経験していませんが、いずれ来るだろう自分に置き換えて読みました。心臓からくる疾患から転倒し入院、家での一人暮らしは不可能となり老人施設に入所します。片意地なところもあるオリーブが息子が勧める施設にすんなんりと入りました。独立住居型の施設です。私は3人の親を施設に入れましたが、誰一人としてすんなりと施設に行ってくれた者はいません。3人共、抵抗しました。自分はどうなるのかな?いずれは私も施設のお世話になるはずです。きっと私は親たち3人以上に手こずらせてしまうだろうと思います。オリーブの性格の割り切りの良さなのか、アメリカの社会性なのかと考えます。

 読みながら時折私はオリーブが嫌な女性だと思うこともしばしばでした。でも何故かページを先に先にと進めてしまいます。私たち年代以上の読者には身につまされる「オリーブキタリッジ」の話です。

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