晴れ、25度、75%
嬉しくて、嬉しくて。
9月1日に義母のいる老人施設が面会を再開しました。コロナ患者が出ての閉鎖でした。3週間ぶりに義母を訪ねました。義母はすっかり虚になり、LINEの主人のことはきっとわからなかったと思います。目の前にいる私ですら認識していたのかどうか?このままではいけないと思い、訪問する回数を増やそうと思いました。
昨日は庭の紫葉の「露草」と途中で買い求めた「破れ饅頭」を持参しました。 施設に入るなり、職員の方達から嚥下障害で食事のたびに吸引していると話を聞き、次の食事からお粥に変える旨報告を受けました。吸引は本人も辛いし、職員の方の手を煩わせます。「お願いします。」と義母の部屋に向かいました。
部屋のドアを開けるとベットに横になっている義母と目が合いました。目が小さくなっていますが、間違いなく私を見ています。「お母さん、来たよ。」微かに頷きます。吸引の後で義歯を外しているので頬が落ち窪んでいますが、はっきりと「真奈さん」と声を発しました。びっくりするやら、嬉しいやら。先日は言葉が一つも出ませんでした。「吸引、大変だったね。」と言いながら「露草」を瓶に挿しました。花を見て「綺麗ね。」と言います。紫の葉が美しくピンクの花はかわいい、近くまで寄せて見せました。
吸引の後で食べられるかどうか?「おまんじゅう食べる?」と聞くと頷きます。小さく小さくして口に入れてやりました。モグモグとゆっくり舐めるように食べます。「美味しい。」食べながら主人にLINEで電話を入れました。画面の主人を見て、誰か認識しています。主人の受け答えは私の目を見て言葉を確かめます。主人に向かって、「きれい」と言うのですが、主人のことではありません。花がきれいだと言います。電話を切り、まだ食べると言うのでお饅頭を少しずつ口に入れてやりました。「食べることが大事。」と義母が話します。
いつもは普段着のまま車に飛び乗って訪問するのですが、昨日は普段着のままでは義母に申し訳ないと着替えて出かけました。お饅頭を食べながら、「真奈さん、そのシャツいいものだね。」普段着でないことにまで気付いてくれました。
お饅頭半分完食、残りは枕元におきました。「今度は何を持ってこようか?」と尋ねると「バナナ。」「バナナ婆さんだね。」と言うと声をあげて笑いました。目が細いのですが笑っている写真です。
部屋の換気をして、しばらく手をさすり、最後はそっと抱きしめて「また来るからね。」「待ってるよ。」と小さく手を振ってくれました。
私は嬉しくて、嬉しくて。主人も私も義母の復調することを確信していました。来月はお誕生日です。そうそう、「子供が元気なのが嬉しい。」とも話しました。主人の穏やかな顔が嬉しかったのでしょう。さてまた直ぐ、バナナを持って訪ねます。