晴れ、24度、77%
九月に入った日でした。夏の間使っていたご飯茶碗を手に取ると、気持ちがそぐわないと感じました。「網目」の染め付けのお茶碗です。暑い間は涼しげで細い「網目」が目を楽しませてくれました。そこで食器棚の奥から、秋らしいご飯茶碗を引っ張り出して来ました。
夏らしい、秋らしいと感じるのは私です。しかもご飯茶碗を数揃えているわけでもありません。 秋は秋なりの華やかさがあると、この歳になって思うことがあります。春とは違う華やかさです。引っ張り出して来たご飯茶碗は、「瓔珞紋」が描かれた赤絵のお茶碗です。「瓔珞紋」はインドの上流階級の人が身につけていた装身具を模った紋様です。首や耳、腕にぶら下がっている装身具、紋様にと思った人の気持ちがわかります。
私の持つご飯茶碗の中で一番派手なものです。小振りに見えますが反り返りのおかげでご飯がたっぷりと入ります。毎日使います。ご飯が楽しくなります。お膳の上に花が咲いた様です。
「瓔珞紋」も描く人によって随分違います。この作者、細かくそれでいて大胆に絵を載せています。地の白が目立つ様では寂しい、ここまで描き込まれてこそ見応えがあると言うものです。
肌寒さが募って来たら、ぽってりとした土物のご飯茶碗を出していきます。それまではこの華やかなご飯茶碗がテーブルにあがります。