晴れ、25度、88%
「時計草」は六月から十二月まで咲き続けます。八月は暑さが厳しかったので一休みしていましたが、九月に入るとまたフェンスいっぱいに花を咲かせています。「時計草」は一日花です。朝咲いて夕方には萎みそのまま開きません。「一日花」は入院している人に持って行ってはダメだと母に聞かされていました。庭に咲く「時計草」を見ながら、義母はおそらく「時計草」を知らないだろう見せてやりたいと思っていました。
昨日、急に気持ちが固まりました。「一日花でもいい、義母に時計草を見せよう。」ひと蔓折って施設に向かいました。
まだ食堂にいた義母を車椅子で部屋に連れていきました。風のある心地よい日です。3階のこの部屋は風が抜けます。窓を開けて、義母をベットに移して、時計草を取り出しました。手渡すと、驚いて花を見つめました。「なんて花?」「時計草よ。」「今日の夕方には萎んで、明日はもう咲かないからね。」と枕元におきました。
義母は長年花に勤しんできました。流派の花展の時の意気込みを思い出します。花を好きな人です。鉢植えの花を持って来ていたこともありましたが、施設の人に水遣りの手を煩わせるのでやめました。幾度も花の名前を尋ねます。その度に、夕方には枯れるからと念を押しました。
昨日は花のことだけでなく、家族の込み入った話もします。随分長居しました。枕元の「時計草」の雄蕊を指で触るほど、お気に召したみたいです。
食べながら、主人とのLINEの電話に応えていました。「今度は赤い色の時計草を持ってくるね。」枯れると気持ちが落ち込むかもしれません。それでも、花は元気を与えてくれました。この冬は以前の様に「シクラメン」の鉢植えを持って行こうと考えています。「時計草」が義母に刺激をくれました。