
曇り,26度、84%
ブログを始めたばかりの頃ですから,7年ほど前です。浄法寺のお椀の事をこのブログに書きました。すると,その日のうちに浄法寺の塗りに携わる方からコメントを頂きました。大事に使ってくださってありがとうございます,という内容です。この浄法寺の方からのコメントが私がブログに頂いた初めてのコメントでした。ところがこの私、コメントの返事の仕方が分かりません。見も知らない方から初めていただいたコメントに非常に喜んだものの、お返事を返さないまま今に至っています。
その後の我が家の浄法寺のお椀、一番古くから使っている黒塗りの吸い物椀を昨年日本の家に送りました。ですから,現在手元にあるのは3種類。
朱塗りの小ぶりの吸い物椀。これは蕎麦汁を入れるのによく使います。椀子そばです。この椀は色目が一際明るい朱です。食卓にあるだけで,ぽっと明るくなります。
大きな椀は朱というより,古代朱に近いややくすんだ赤さです。おうどんお蕎麦はもとより,ラーメンだってこの椀で頂きます。大きな手の私でも大きく感じる大椀です。
脚高の合鹿椀の小ぶりの黒塗りは,大きさからいうと,ちょうど朱塗りの2つの椀の中間位でしょうか。たっぷりの汁物,真っ白なご飯がよく似合います。
浄法寺は塗り物の里としても有名になりましたが,日本一良質の漆が取れるところでも名を馳せています。良質の漆の産地としてテレビなどで伝えられる前から浄法寺のお椀を集め始めました。5椀を一組にして、買い揃えて行きました。赤の大椀と合鹿椀は注文して随分待って手に入れました。買う度に知名度が上がって行く浄法寺の塗り物、お値段もそれ相応に上がって行った記憶があります。この最後に頂いた合鹿椀ですら10年近く前のものです。
私一人のお昼ご飯は,殆どこの3つのお椀で済ませます。炒飯や炒麺のときだって、タイのカレーのときだって,だんご汁だってこのお椀たちによそおいます。毎日毎日使います。他の塗りの蓋付きのお椀の蓋などは,醤油皿に変身です。
塗りのものは扱いが大変だと聞きますが,普通に洗剤とスポンジで洗っています。こびりついたものがあれば、お水にプカプカ浮かんでいる事すらあります。水に浮かんでいるお椀を見れば一寸法師を思い浮かべます。普通のお茶碗と同じ扱いです。
大事に使う事,毎日使ってやる事だと思っています。日本に返した黒椀も合鹿椀も黒塗りの下から生地に塗られた赤い色が吸い口、底には見え始めています。年季です。ほんの数日しかいない日本の家にも、あの黒椀があると思うとホッとします。
コメントのお返事が7年もかかってしまいました。今も大事に使い続けています。いつか岩手の浄法寺の町を訪れたいと思っています。お返事遅くなりました。
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