晴、24度、92%
庭に咲いた「セージ」と「ポリジ」の花を刺したクロスステッチを額装してもらいました。帰国後初めてのチクチクでしたので30年ぶりの日本での額装です。日本のことですから世界中の外枠が集まっているに違いないと期待して出かけました。
外枠選びから始めます。ボードにL字に切られた外枠のサンプルが磁石で貼られています。その中から手にとって選ぶのは香港と変わりありません。ところが思ったよりその種類が少なく、イタリア製のようなものは一つもありませんでした。日本製でもいいデザイン、木の質感、枠の太さのバリエーションがあればいいなあと思いつつ、金色の角にだけ飾り彫りのある細いものを選びました。お次は外枠と入れるものの周りにマットを入れるかどうかです。マットを入れるとその分大きな額に仕上がります。つまり外枠も大きくなり値段は上がります。おすすめですと当ててくれたマットの色も紙の質もいまひとつしっくり来るものがありませんでした。そういう時はマットなしで外回りを残して額に入れます。香港の時はこの外回りがおおかた2インチと言われていました。次はガラスかアクリルを選びます。ガラスでなくアクリルが主流であることは香港も日本も変わりありません。アクリルの質、透明感がぐっと上質になっています。軽い上に割れることもなく傷もつきにくいのでアクリルを選びました。
そこで大きさを測り、外枠の使用する長さ、アクリル板の大きさを割り出して手数料込みで値段が算出されます。想像通り日本の方がいい値段です。外枠の発注(在庫がなかったので)も含めて10日かかると言われました。実際は1週間で仕上げてくれ、昨日取りに行きました。
ハズレのない外枠を選んだつもりです。金ピカではなくややマットな金が欲しかったのですが止むを得ません。香港では永く同じ額屋さんに通いました。気心が知れていました。お店の人のプロの知識をたくさん教えてもらいました。そして何と言っても外枠の種類が多かったこと。
日本では出来合いの額を買うのが主流だからかもしれません。今回の額屋さんでも出来合いのものを勧められました。「絵」や「書」をする人が額の注文に来るのは多いのでしょうが、自作の刺繍布を携えて来る客は少ないとのことでした。
日本に戻って初めての刺繍と額装でした。「セージの花」と「ポリジ」の布の色の違いは「スイスの布」と「デンマークの布」の違いです。この2つの後も刺し続けています。この3年間私を支えてくれた友人たちに小さなものを刺したり、庭に咲いた花を刺したりしています。チクチクとひと針ずつの仕事です。お手元に届くのは先になるかと思います。
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