チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

ウィリアム・メレル・ヴォーリズ

2022年08月28日 | 

晴、25度、76%

 ウィリアム・メレル・ヴォーリズをご存知でしょうか?明治時代の終わり頃日本に来日したアメリカの宣教師です。メレルはたくさんの顔を持ちます。日本に「メンソレータム」をアメリカより持ち込んだ人物、宣教師、建築家、英語教師などなど。私がメレルのことを知ったのはまだ香港にいる時、20年ほど前のことです。近江にある小さな住宅を設計した人物として知りました。大正時代に建てられた「メンソレータム」の会社の従業員の住まいです。アメリカ式ではありますが、建てたのが洋風建築を知らない日本の大工です。この時代に、近江という街でこんな家を建てた人があることに驚きました。

 調べるとメレルは旧大阪大丸の建築や関西のミッション系の学校建築も手がけていました。現存する建物も数多くあります。いつかメレルの建築物を見て回りたいと思いました。数年前、軽井沢に行く機会に恵まれました。軽井沢はメレルにとって近江の次に縁の深い街です。まだ雪の跡が残る軽井沢は人も少なく閉まっている店ばかりでした。友人たちとの待ち合わせの前に「軽井沢聯合教会」の建物を訪ねました。雪道の向こうに人気のない木造の教会が見えました。閉館中で窓ガラス越しに中を覗きました。

 帰国したら日本各地のメレルの残した足跡を追いたいと考えていたのに、どこにも旅行出来ない世の中です。メレルのことを今ひとつ詳しく調べたいと「失意も恵み」という本を買いました。設計士、宣教師の両面から書かれた本です。明治時代に来日した由来から戦争中アメリカ人でありながら帰国せず日本にとどまったことなど初めて知ることばかりでした。メレルは日本国籍を得ています。時代順に見る建築物は次第に公共性の強い大きなものへと変わって行きます。思いかけず私の住む福岡の近辺にもいくつかその建物が残っているそうです。

 人となりに感銘しますが、小さな住宅の設計士としてのメレルに魅力を感じます。小さな家は「近江」「軽井沢」に数軒残っているばかりだそうです。とりあえず秋空の元、身近な建物を訪れましょう。学校や商業施設の大きな建造物はさておいて、教会、住宅を見るために時間が許す限りメレルの建築を追いたいと思います。


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