晴、12度、78%
先月いつも行くお店で髪を切ってもらいました。このひと月その髪型に違和感がありました。どこがというのではないのですが、落ち着かない。違和感は不快感に変わってきました。早く切りたい、でも同じところには行きたくない。昨日は朝の間にやるべき要件2つを片付けて、髪を切ろう!と家を出ました。しかも近所で切ってみよう、近くに美容院は7軒ほどあります。お店を覗いてはカットのみの値段を聞いて考えました。繁華街でもないのにカットだけでも7,000円もします。一番高いお店一万円越えます。お安いお店でも5,000円。私は自分の髪カットにそんなにお金をかけたくはありません。デザインカットなどではなく、ストレートな普通のカットでいいのです。そう思って歩いていると、床屋さんのクルクルが見えました。「床屋さんでいいわ。」美容院と書かれたドアを開けると、ドア横の待合のソファーにお婆さんがボーッと座っています。「私の髪切ってもらえます?」「どうぞ。」お店にはこのお婆さん一人です。
理容用の椅子に座ると覚束ない手つきでエプロンをかけてくれます。少し耳が遠いようです。「1センチ切ってください。同じスタイルに。」座って失敗だったなと心に思いました。おばあさんは髪を解かす動作も遅く、切らない部分の髪をクリップで止めるのも手元も無茶苦茶でした。私は覚悟を決めました。「いい、いい、髪は伸びるから。」ハサミが髪を切るたびにビクビクしていました。落ちてくる髪は2センチはあります。そこでおばあさん、髭剃り用のポットにお湯を入れました。 ピーンときました。襟足を剃るつもりです。50年ほど前まで私はサザエさんの「わかめちゃんカット」でした。もちろん床屋さんで切ってもらい、最後は襟足に泡を立て剃刀で剃りました。半世紀ぶりに剃刀を当てられることななりました。ヒンヤリと剃刀の刃の感触。次にモタモタと何かを探していると思ったら、大きなパフを手に襟足に叩いてくれました。シッカロールパウダーです。泡のハケの感触もパフの感触も子供の頃を思い出させます。これで終わり?と思っているとおばあさんは旧式のドライヤーを手にブローをしてくれました。しかも髪全体ではありません。きっと手が疲れたのこもしれません。鏡に映る自分を見て髪は短くなったけど、毛先が飛び出てくるかも、そしたら自分で切ろうと思って支払いを済ませました。 お店の中の様子です。30年ここでお店をなさっているそうで、免許をとって70年、美容師、理容師として働いてきたと話してくれました。「また来ますね。」の一言に満面の笑み、パチリ。
一晩経ちました。毛先に出てくる毛はありません。垢抜けたカットではありませんが、昔の女優さん「南田洋子」がワイドショーの司会をしていた頃の髪型に似ている気がします。
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