雨、13度、74%
やっと秋らしくなりました。紅葉の便りも聞こえます。紅葉の赤や黄色は春の桜の薄紅色と同じくらいきれいです。秋の花といえば「菊」です。先日新聞に「菊」を「マム」と呼ぶようになったと書かれていました。花の名前がどんどんカタカナに変わっていきます。「秋菊」「夏菊」などと呼べばいいのに。
「菊」の色といえば黄色、白と思っていたのに、今は姿形色も種類豊富になりました。大輪もあれば小さな菊もある、昔ながらの「菊」の絵の皿を持っています。この季節、テーブルにのぼります。
長径が30センチ近いオーバルな皿は、実際はもう少し濃い黄色です。 フランス、リモージュの窯のものです。「KENZO」のデザインのもので流通が少なかった皿だと聞いています。香港のセントラルのランドマークの「KENZO」の店のウィンドーにはこの皿ととっても大きなカップアンドソーサーが並んでいました。目を引くディスプレイでした。カップは大き過ぎるのでこの皿だけを求めました。テーブルの真ん中にこの皿を置くと華やかになります。時には皿立てに飾ることもあります。30年、秋になると登場する皿です。
季節を大事にする日本の和食器は秋になると「もみじ川」や「菊」の絵付けが多くなります。変形の中皿は一面「菊」が描かれています。「乾山」の写しです。江戸の頃この皿が膳にのった様子を思い浮かべます。洒脱な美しさで人々を驚かせたのではないでしょうか。刺身などをほんの少し盛り付けます。日本で求めて香港に持ち帰る時も、香港から引越しの荷物に入れる時も、薄く作られたこの皿には殊更気を使いましたが、欠けることもなく手元にあります。「鯛」の刺身がよく映えます。先日、「鯖」の刺身を盛りました。「鯖」の青く光る皮目がいい塩梅でした。
秋の皿を愛でながら、頭の中は「クリスマス」「お正月」の器のことを考えます。どの器も長年私の身近にあるものばかりです。
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