晴、11度、42%、東京
新蕎麦の解禁が今年は遅かったそうです。お蕎麦屋さんの表に「新蕎麦」と書かれた紙が目に付くようになりました。「新蕎麦」の美味しさを知ったのは帰国してからのことです。今年もとあの香りを思い出します。
昨日から東京に来ています。お昼は「新蕎麦」と決めていました。福岡と東京のお蕎麦の大きく違うところはつゆです。掛け蕎麦のつゆ、東京は濃口醤油と甘味を強く感じます。福岡は薄口醤油を使うので色も澄んでいます。東京に10年近くも住んだのに、どうしても馴染めなかったのが蕎麦、うどんのつゆでした。
「新蕎麦」はざるでいただきます。付けつゆの東京風味の濃さを久しぶりに食べてみたくなりました。繁華街、お蕎麦屋さんは脇道にあるはずと一軒格子戸の店を見つけました。戸を開けると既に満員。店員さんに「新蕎麦」の有無を確認します。この店、表に貼り紙がなかったのです。「ありますよ」の言葉と一緒に相席に案内されました。お品書きを読むのは楽しい。天ぷら蕎麦だけは避けようと決めていました。天ぷらの香りが「新蕎麦」の香りを邪魔します。頼んだのは「しらす蕎麦」です。
店の中で
蕎麦が打たれています。透明なパーティションの真向かいの女性は、三種類の割合の違う蕎麦の食べ比べを召し上がっています。気付くと小さなお銚子が一本。まだお昼です。私と同年輩の女性です。髪はセットされ爪も手入れされています。仕事の出来る営業マンのように見受けます。などなど、店を観察してるとやって来ました、「しらす蕎麦」。
ざるでないのにガックリですが、早速箸をつけました。付けつゆはほとんど使いません。「新蕎麦」はいい茹で加減です。やや固め、噛み締めると蕎麦の香が口に広がります。最後に付けつゆにたっぷり蕎麦湯を注いで頂きました。美味しかった。まだお腹は物足りませんが、次に向かう時間が迫っています。
向かいの女性のようにお昼間から日本酒とお蕎麦、余裕を感じます。こんな人に出会うのも都会ならではです。この時期ならではの季節の物、関東風のつゆもまた美味しいと堪能しました。
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