晴、11度、78%
1週間前、鏑木清方の絵を見るために竹橋の国立近代美術館を訪ねました。羽田から地下鉄を乗り継いで地上に出ると皇居のお堀端に出ます。秋の東京の匂いです。
作品数は少ないながらも充実した鏑木清方の絵を見て、この先2日間の多忙を患う気持ちも失せました。そんな落ち着いた心持ちで4階の「眺めのいい部屋」に向かいました。皇居に面するこの部屋は一面ガラス張り、ただ心地の良い椅子が置いてある空間です。数年前に訪れた時は小雨に煙った皇居を眺めました。今回は色づき始めた秋の景色です。
皆さん静かにこの景色を楽しんでいます。先日も数々の展覧会がありそれぞれ胸に抱いているものは違うのに、同じ景色で心が和みます。 お堀端はいつもジョギングする人の姿が見えます。そういえば大手町の地下鉄のホームには大きなスポーツショップがありました。走るためのシューズから服装まで全部揃うようです。
皇居が好きでこの景色を見ているのではありません。水のある風景は川であれ海であれその時々の見る者の心を映すように思います。お堀の水は流れずに弛んでいます。 人しばらく窓辺に佇みました。慌ただしく写真を撮る外人の方が入って来たのを機に部屋を出ました。
近代美術館ではこの「眺めのいい部屋」も展示物の一つだと言われています。超高層から見る景色とは違います。身の丈のいい眺めは自分の足元を考えながら何かを教えてくれるように思います。
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