チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「ミナミノカオリ」で焼くパン

2024年05月23日 | パン

曇、20度、81%

 私がパンを焼き始めた50年近く前、日本の小麦はパン作りには適していないと海外から輸入の小麦を日本で製粉したものを使っていました。ところが30年も日本を離れて帰国すると、国内産小麦のパン用小麦粉が年々数を増やしています。農家がパン作りに適した小麦を開発したからです。日本古来の小麦とカナダ産の小麦を掛け合わせたものがその初めだと聞きます。今やパン用小麦粉はパン屋も家庭も国産小麦の小麦粉が主流になってきています。中でも北海道産「キタノカオリ」はよくできた小麦粉です。美味しいは言うまでもなく香りもよく、扱いやい小麦粉です。

 毎朝、小さなバゲットを一本焼きます。帰国当初はフランスからの小麦粉を使いました。輸入小麦粉の高騰もあってこの5年間は国産小麦の小麦粉を使っています。数ある品種ですが、ハードブレッド用の「キタノカオリ」を使っていました。もちろん北があれば南、九州の小麦もあります。一度、熊本産の小麦粉を使いましたが、どうも味が良くない。舌触りに何かを感じます。先日、地元福岡のハードブレッド用の小麦粉を売っているのを知りました。ネットで見つけて送ってもらい使い始めて一週間が経ちました。

 一言で言うと、「キタノカオリ」に比べると洗練された味がありません。小麦の持つ野趣を感じます。今私は「高加水」のバゲットを焼いています。「高加水」とは例えば粉100グラムに対して普通は70グラム前後の水を加えるところを80グラム90グラムと水量を多くして焼くパンです。現在、95グラムの水を使っています。90グラムを超えると、パンの生地はベタベタドロドロ、形成するのも難しい。その上「クープ」、切り込みを入れにもカミソリが入りません。「キタノカオリ」の高加水パンは中はしっとり非常に美味しくできます。さて、「ミナミノカオリ」は小麦粉の吸水率が低く「キタノカオリ」よりさらに扱いにくい生地です。冷蔵庫で丸一日寝かせてもダレっとしています。味は無骨ながら、塩を効かせることで旨みを感じるようになりました。この2日、やっと見られるバゲットが焼き上がりました。 

仕込み水を「ほうじ茶」で煮出したものを使ってみました。「ほうじ茶」の苦味がうまく「ミナミノカオリ」にマッチしたようです。ただご覧のように、チョコレートパンのような色に焼き上がります。 昨日は「ほうじ茶」を使わずに仕込みました。今朝のパンはどうかな?「ミナミノカオリ」地元の小麦粉の粉です。これと思える使い道を探したい。

 パン用の小麦粉では香港30年の間、入手に苦労しました。日本から来ているパン屋さんに分けていただいたり、韓国、ベトナム、タイの強力粉を使ったり、主人が出張の時はアメリカの小麦粉を携えて戻って来てくれたこともありました。たくさんの小麦粉と向き合ってきた楽しい思い出です。

 さあ、今日もパン作りから始まります。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カズオ イシグロ「THE SUMME... | トップ | ホテイソウをテーブルに飾る »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿