大山蓮華
曇、15度、70%
妖精のような花姿をした「大山蓮華」を知ったのは「白洲正子」の本の中でした。そのすぐ後、花人「川瀬敏郎」が活けた「大山蓮華」を見てあまりの綺麗さに心に残りました。「オオヤマレンゲ」は木に咲く花です。花がスイレンに似ているので「蓮華」と名付けられたのだとか。別名「天女の花」とも言われるそうです。
「大山蓮華」を実際に見たことがないときっとこのブログに書いたのでしょう。新潟の友人が自宅の庭に咲く「大山蓮華」の蕾を10数個送ってくださったのは昨年の五月のことでした。まるで白玉団子のようなその蕾、早速家中に活けましたが、長旅の疲れからか水揚げがうまくできずに、一つとして開かせることが出来ませんでした。友人にも花にも「申し訳ない」という気持ちでいっぱいでした。
今年の寒さが緩んだ三月初旬、地元の園芸農家の「植木市」に行きました。苗木や花苗は地元のものを買うことにしています。同じ気候で芽生え育ったものならば失敗も少ないと思うからです。「植木市」は大きな松や桜まで扱っています。その中一本の裸のまだ50センチほどの苗木に「大山蓮華」と書かれた札がついていました。写真はまさに「大山蓮華」です。売主のおじさんに福岡の平地でも育つかどうか尋ねました。寒い山にしか咲かない花だと思い込んでいます。九州でも山に行けば見られること、手間がかからないことなどを聞き、1本買い求めました。「今年は咲くかな?」「いや来年だね。」とおじさん。帰ってすぐに、座敷に面した庭の大きなマキの木の東側に植えました。
植えてすぐに新芽が吹きました。葉の形まで優しい曲線を描いています。四月半ば、葉の先にやや丸いものが顔を出しました。「花芽かしら?」期待で胸がドキドキします。一日数回「花芽」を見に行きました。 銀杏の薄皮の様なものに包まれていた花芽が白い姿を現したのは十日ほど前、徐々に丸く膨らみ、一昨日花先を綻ばせました。昨日の朝は まだ開いていませんでしたが、昼過ぎ花弁を開きました。花姿、雄しべの赤い色との対比、花弁の色は純白、「白雪姫」みたいとつぶやきました。
4つ付いた花芽のうち3つが咲きました。昨日幾度この花の元に行ったことか。見飽きることがありません。4日ほどの命だそうです。まだ幼い木です。よく咲かせてくれたと思います。この4つの花は切らずに置きましょう。木が成長して花がたくさん咲くいたら切り花にします。
昨晩、新潟の友人に開花を知らせました。「嬉しい花便りをありがとう。」と返事が返ってきました。
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