今年も、横浜のジャズフェスティバル(ジャズプロムナード2010)に行ってしまった。有料(4000円)の会場を回ろうかとも思ったが、チケット売り場で、500円の”ちぐさアーカイブ展”があることを知り、まずそれをみようと、野毛方面に向かった。
いつかも紹介したことがあるが、野毛町1丁目にあったジャズ喫茶”ちぐさ”は、3年前に閉店してしまったが、歴史的なというか、伝説的なジャズ喫茶だった。吉田護さんがここで、開業したのは1933年で、6000枚ものレコードを保持していたが、横浜大空襲ですべて焼失し、戦後、復活させた。当時のジャズレコードは高価なこともあり、秋吉敏子、渡辺貞夫や日野皓正ら、日本のジャズ界の礎をきづいた、若き日の、錚々たるジャズミュージシャンがここで、レコードを聞いて、勉強したのだという。
今回、この伝説的ジャズ喫茶”ちぐさ”が、当時の姿に復元され、公開されているというのだ。当時の”ちぐさ”があった場所には、マンションが建ってしまっているので、そこから、そう遠くないところに、その復元”ちぐさ”があった。もちろん、ぼくは現役”ちぐさ”に行ったことはない。ただ、横浜ウオーキングのガイドさんに、その話を聞いて、感動したのだ。是非、復元してもらいたいと、当時のブログにも書いたが、それが実現したのだ(営業するわけではないが)。
”ちぐさ”には、すでに多くの人が集まっていた。わずか9坪で、椅子だって20席あるかどうかだから、満席で、外側の展示室でしばらく、展示品をみていた。クレージーキャッツも、横浜で活躍していたから、吉田さんと親しく、植木等や犬塚弘の吉田さんへの手紙、先日、亡くなられた谷啓のビデオも映っていた。ハナ肇らが仕掛けた、昭和29年7月27日の深夜、横浜のジャズクラブ”モガンボ”の伝説的なジャムセッションは、ジャズフアンでは有名らしい。そのとき植木等や谷啓は切符売りをしてたそうだ。
そして、ぼくは9坪の喫茶店の席が空いたので、コーヒーを飲みながら、大きなスピーカーから流れてくるジャズを聞いたのだ。カウンターにはたくさんのレコードが並び(5000枚のレコードは近くの横浜市中央図書館に保管されている)、壁一面にはレコードジャケットが貼られ、なべさだや秋吉のサイン入りのもある。それらを見ながら、若き日の秋吉や、なべさだや、皓正らの面影を追い、そして、ジャズ喫茶ではなかったけど、若き日のぼくもよく行った、音楽喫茶のことなどを思い出していた。
復元ちぐさ



在りし日のちぐさ



関係者



当時のちぐさのあった場所のマンション脇にこのような記念タイルが、つくられている。

これをみてから、あちこちで行われている無料の街頭ライブをみて、1日、楽しんだのだ。

