気ままに

大船での気ままな生活日誌

鎌倉めだか

2010-10-20 19:05:22 | Weblog
今日の、鎌倉市と女子大共催の公開講座のテーマは、”空と陸から見る鎌倉の自然環境とその魅力”で、とても面白く聞かせてもらった。先生は鎌倉育ちで、お父さんの転勤の関係であちこち移動したが、現在は、鎌倉、山崎に住んでおられる。鎌倉三大緑地のひとつ、台峯の麓に当たる。あとの二つは、常盤山緑地と広町緑地で、これらは粘り強い住民の宅地化反対運動により、鎌倉市が不動産屋さんから買収し、管理されている。

いつかも記事にしたことがあるが、日本における最初のナショナルトラスト運動は、八幡さまの裏山を宅地化しようとした、ふとどきな(笑)不動産業者を相手に、鞍馬天狗(大仏次郎)が大将となって大勝した、いわゆる御谷(おやつ)運動がさきがけなのだ。この運動がもとになり、”古都保存法”が制定され、現在まで、市内の緑地が保存されているのだ。大船はこの風致保存地区から外れているので、六国見山の上の方まで宅地化している。

講義では、”昭和の鎌倉攻め(笑)”というタイトルで、昭和35年くらいから始まる、宅地造成の推移を片瀬・腰越地区の航空写真をスクリーンでみせてもらったが、おどろくほどの速さで緑地が蚕食されているのがよく分かる。いよいよ食いつくされそうになったとき、住民運動が起き、”広町緑地(38・7ヘクタール)”が残ったということだ。

”広町の森”は、まだ行ったことがない。こんど、暇をみて(暇ばかりだけど;汗)、出掛けてみよう。

雑談で、先生のお父さんの故郷が、ぼくと同じ、三鷹だという。先生も三鷹のICUで学んだそうだ。もしかすると、お父さんは、ぼくと同じ小中学校卒業の可能性が高い。えへん(いばることはない)。もうひとつ、雑談(いや、これは講義の一環)で、女子大の構内の、東山のふもとに池をつくり、以前、鎌倉の中心地を流れる滑川に住んでいたという、個人宅でわずかに残っていた鎌倉メダカ(クロメダカ)を導入したところ、群れをなすほど増えているという。

講義のあと、雨も止んだので、池を覗いてきた。アサザや水草が繁茂していて、よくみえないが、5分ほどの間、一度だけ、鎌倉メダカと思われるの魚の群れがちらりと姿をみせてくれた。

構内の東山


池 鎌倉めだかは写っていない。


ヒメジオンも外来種とのこと、知らなかった。セイタカアワダチソウは外来種、”国産”ススキは負けない。池のそばに咲いていた。


おまえは、カラス天狗か?すると中国からわたってきた可能性がある(笑)。先日”天狗推参展”でみて知っておるぞよ。中国の文化は好きであるぜよ。青島ビールも好きであるぜよ
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小泉八雲展

2010-10-20 12:26:10 | Weblog

横浜山手の神奈川県立近代文学館で表記の展覧会が開かれている。ラフカディオ・ハーン/小泉八雲の生誕160年、来日120年記念ということだ。小泉八雲といえば、KWAIDAN(怪談)、ぼくらの中学か高校のとき、英語の副読本として使われた。日本人に帰化し、奥さんの言によれば、日本人より日本人らしい気質だったという。

展示構成は、彼の一生を辿り、最終章で、一番の見どころの日本における作品群の展示となっている。はじめて知ることが多かった。不幸な少年時代であった。ギリシャに生まれ、アイルランドのタブリンに移る。6歳のとき両親と離散、16歳で片目を失明。預けられた乳母からアイルランドの怪談や妖精物語を聞かされていたという。成人して、アメリカのニューオリンズのジャーナリストになるが、そのとき、綿花万博があり、日本館の展示に心惹かれた。これが日本へ行ってみたいというきっかけになったそうだ。

そして明治23年、特派員として2カ月の予定で横浜に上陸したのだった(そのあと再来日し、万博のとき知りあった文部省役人の斡旋で松江の師範学校の教師となる)。そのとき、わが鎌倉(円覚寺、建長寺、大仏、長谷寺等)、江の島、そして藤沢でははじめて混浴の風呂に入ったそうだ(混浴復活して;汗)。その4年後には、熊本から来県し、また鎌倉、鵠沼の吾妻荘(白樺派が定宿にしていた)、そして箱根の富士屋ホテルにも泊っている。”神奈川県立”だから神奈川情報は詳しいのだ。

(当時の鎌倉大仏)


各時代のラフカディオ・ハーンの写真がいくつも展示されているのだが、隣りの二人組の中年女性が、”いつも横向いてるね”と笑っていた。そういえば、よくみると、50人くらいの集合写真でも一人だけ横向いているのだ。だから、図録の表紙の写真も横顔であるし、その横の鈴木朱雀画”小泉八雲”も横顔である。

松江、熊本(五高)、神戸、東京(帝大)と移り住み、妻から民話を集めてもらい、その話をまとめて、”KWAIDAN”等の、70篇近くの作品を英語で著す。帝大の学生に、純文学と比べて怪談が劣っているなどとは考えてはならないと説いていたそうだ。ぼくも最近、そう思うようになっている。小泉凡が記しているが、これらの物語は”愛、死、畏怖、好奇心、約束、怨念など不可欠なメッセージがあり、・・私たちに生きる目的や自然を畏怖することを教えてくれた”。

大地の果てまで堀りつくし、それでも足りなく、今度は、大海の底まで穴ぼこをあけ続けてているアホどもには、巨大なろくろ首の海坊主をみせなければ、わからないだろう。最近、メキシコ湾沖で顔をみせたのにまだ分からない。どあほうと言っていいだろう。

小泉八雲は、こんな言葉を残している。”日本の将来は、日本人のシンプルライフを維持し、自然との共生を続けられるかどうかにかかっていると説き、日本人が節制心を失えば将来、中国が有利になる”。その通りになっているが、同じ言葉を今の、どあほう中国にも返したい。

小泉八雲自筆の、ろくろ首と雪女)



JAPAN:An Atempt at Interpretation ”日本、ひとつの試論”の1200枚の原稿。出版をみぬまま、明治37年急逝する。


最初の赴任地、松江の宍道湖の夕景


文章の一部を載せます。

日本には熱帯の、ああいうどぎつい日没はない。夕陽の光が、夢の光のように静かだ。そこには、色の強烈というものがひとつもない。・・色彩や色合いの点における日本人の繊細な趣味は、あの美しい織物の染色にあらわれているとおり、きらびやかなものはひとつもない。それは、この中庸をえた自然の色調の、じみで、繊細な美しさに負うところ、大なるものがあるのだと思う。

本当に、日本人より日本人らしい感覚ですね。
。。。。、

今、この本を読んでいます。”怪談”の主要な物語が20篇ほど入っています。子供の頃、読んだはずですが、だいぶ忘れていたことがありました。







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トトロのバス停

2010-10-19 10:30:38 | Weblog


ぼくの家から、歩いて30分くらいのところにトトロのバス停があります。
ここに行けばトトロに会えますし、トトロの森で、いろんな生き物に会うことができます。

♪トトロ トトロ トトロ トトロ 誰かがこっそり 小路の木の実埋めて ちっさな芽 生えたら 秘密の暗号 森へのパスポート 素敵な冒険始まる となりの トトロ トトロ トトロ トトロ
森の中に 昔から住んでる となりの トトロ トトロ トトロ トトロ 子供の時だけ あなたに訪れる 不思議な 出会い♪

森の入り口 
 

森の坂道を上ると、トトロの住む平地に出ます。


ここはぼくだけしか知らない広場なので、いろんな生き物が安心して住んでいます。
誰も来ない証拠に小路の上に蜘蛛さんの家もあります。

蜘蛛さんの家を壊さないように、そっと下をくぐり、広場の生き物たちに会います。虫さんもいっぱいいます。蝶もトンボも。藪蚊もぶんぶん飛んできて、ずいぶん刺され、手荒い歓迎を受けます(汗)。ふと上を向くと、虫食い葉がいっぱい。虫の天国なのです。


もちろん、野草の天国でもあります。
大勢のアザミの花さんが歓迎してくれます。

赤い花なら曼珠沙華は下界のこと、ここでは赤まんまと水引き草の花

野菊も背高のっぽも


ススキもシダも


きのこも地衣類も苔も



お日さまもお月さまも、やさしく見守っています


肝心のトトロは?ここにいます。


雨降りバス停 ズブ濡れオバケが居たら あなたの雨傘 さしてあげましょう
森へのパスポート 魔法の扉 開きます となりの トトロ トトロ トトロ トトロ
月夜の晩に オカリナ吹いてる となりの トトロ トトロ トトロ トトロ
もしも会えたなら 素敵な幸せが あなたに来るわ (作詞:宮崎駿
。。。。。

名古屋の”生き物会議”、金儲けのことばかり。こんなやつらにパスポートはあげませんよ。

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磯江毅展

2010-10-18 11:50:38 | Weblog

平塚で堀文子展に行ったときに、同時開催していた、磯江毅展もみてきた。はじめて観る作品ばかりだし、どんな画家であるかも知りたかった。よく写真のような絵、という褒め言葉があるが、彼の作品はまさにそれだった。

堀江は大阪に生まれ、18歳でスペインのマドリッドに渡る。美術学校に通うかたわら、ぼくも行ったことのあるプラド美術館で名画の模写に没頭していたという。20年以上、スペインにいたというから、半分スペイン人みたいなものだ。マドリッドは新たなリアリズム表現を求める画家たちの世界の中心地だったそうだから、彼の写実画は、”世界の写実画”なのだ。

美術学校で勉強している人は、きっと、写実的な模写から始まるのだろうから、ぼくのような素人には、写実的絵画はあたりまえの絵だと思ってしまう。でも、”釣りは鮒に始まり、鮒に終わる”という言葉があるように、絵画にも”写実に始まり、写実に終わる”なんてことがあり、写実は、奥の深い画法なのかもしれない。実際、堀江はこんな言葉を残している。

”私は写実は出発点であって、最終目的とは思っていません。いうなれば、写実を極めることは写実でなくなってしまうことと思っている。”

”物をよくみるということは、物の成り立ちを見極め、やがてそれを解体、解剖することだと思うようになってきたのは、私の個人的な発想ではなく、永年住んだスペインでみることを極めてきたヨーロッパ美術の歴史が教えてくれたことと確信しています。”

56点の作品が展示されている。静物が多いが、構図は独特なものだった。ぼくの一番好きだったのは、”新聞紙上の裸婦”で、鉛筆、水彩で描いたものだった。裸婦のうつくしさだけではなく、新聞の文字までまるで写真のように細かく描かれている。絵ハガキもないし、ちらしにもないのが残念だ。その横に”深い眠り”という裸婦が横たわる絵画があり、それはちらしに載っていた。この裸婦の下に新聞紙があれば、その絵に近いと思ってもらえばいい。

鮭”高橋由一へのオマージュ”というのがあって、芸大所蔵の”鮭”とそっくりだった。”横たわる女”は未完とあった。亡くなる4年前から手掛けていて完成していないということだが、ぼくにはどこが未完なのか分からなった。十分な完成品だと思った。完全主義者なのだろう、寡作だったということだった。2007年、53歳の若さで急逝するが、遺作は、最後に掲載している、”鰯(いわし)”である。食べかけの鰯が、骨を出して、皿の端に申し訳なさそうに、ひっそりとのっている。ぼくはいつものように、遺作に宿る、作者の魂に祈っていた。










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岡崎和郎展/補遺の庭

2010-10-18 10:28:37 | Weblog



八幡宮入り口の、大きな招き猫に招かれ、神奈川県立近代美術館・鎌倉に入った。ぼくは岡崎和郎という彫刻家の作品をはじめてみるから、看板の猫や、ちらし絵のキューピーのような彫刻が並んでいると思ったが、なんだかわけのわからないオブジェが展示されていて面喰ってしまった。

HISASIという連作があり、なんのことかと思ったら庇のことで、それも普通の家の庇のようではなく、なんだかぼくのように気ままな庇で、あっち向いたり、こっちむいたり、飛びだしたり、ひっこんだりで、へんてこな形で、思わず笑ってしまいそうな作品ばかりだった。ぼくはこのオブジェをみてから、庇に興味をもち、2,3日、人の家の庇ばかりみて歩いたが(写真も撮ったが、未発表;笑)、岡崎和郎のような個性ある庇をみることがなかった。ぼくには芸術的な価値が十分理解できないが、何故か印象に残る作品であった。

いつか、葉山で観た彫刻家、湯原和夫のオブジェも印象に残っている。うっかり記事にしていなかったが、和紙をあちこち破っただけのオブジェがいくつも並んでいて、それがなんとなく、おかしかったり、エロチックであったりして、今回と似たような感想をもったものだ。

広島原爆シリーズもあって、黒い雨に関連するオブジェがあり、題名がなければ、なんのことかわからないものだった。でもそう思ってみると、悲しみやら憎しみが伝わってくる作品だ。滝口修造ーArrow Finnger(人名録)という作品もあった。滝口の指に矢印型の布をはめ石膏で型どりして鋳造したものだそうだ。滝口と親しく、彼のシュルレリスムに賛同していたのだろう。

本テーマの”補遺”の意味は、ちらしの説明によれば、美術の世界に欠落した要素を補うものを意味する、岡崎独自の造詣概念ということだ。”HISASI”のシリーズによって”補遺”の概念は近年その空間性を拡げ、環境をも取り込むスケールを供えるようになった、ということだ。そういわれても、”素人審査員”には全くわからないから、なるほどとうなずくことにしておこう。そのうち、わかるときがくるといいのだが。



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横浜山手の薔薇と怪談

2010-10-17 22:02:51 | Weblog
今日は横浜山手の、薔薇見物、そしてKWAIDAN(怪談)で有名な小泉八雲展に行ってきた。山手の西洋館前の秋バラはもう見頃、休日ということもあり、たくさんの人が。

山手資料館の庭園


山手イギリス館前、すばらしいです 天狗になるな



はまみらい 市の薔薇よ、とどなたかが言っていた。


”怪談”に相応しい名前 レッドデビル


そして、神奈川近代文学館で小泉八雲展。もちろん”怪談”も。(詳しくはのちほど)
耳なし芳一、雪女・・・


文学館を出て来たころはもう夕暮れ。外人墓地の夕暮れ。


家に着く頃は、耳なし芳一が待っていました。口もありませんでした。
偶然みつけた照明の反射光。
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長谷寺縁起絵巻

2010-10-17 10:26:30 | Weblog


長谷寺は、ぼくの好きなお寺でよく行く。花のお寺として有名だし、境内から由比ヶ浜が一望できるのがいい。花と海、ぼくの”好物”がふたつもあるのだから、嫌いなわけがない。それに、今回、秋季特別公開として、長谷寺縁起絵巻がみられる。美術品も好きだから、好物三点セットがそろったわけで、うきうきとして出掛けた。

いつものように長谷大仏さまにお参りして、100円払って、宝物館に入る。第一展示室には、仏像彫刻や梵鐘がある。梵鐘は大船の常楽寺のが一番古く、鎌倉国宝館にある。その次が建長寺で、3番目がここのである。物部某(メモしなかったので)の作で、藤沢の遊行寺、東慶寺のも物部一派の作である。

第二展示室にお目当ての絵巻が拡げてあった。長谷寺縁起絵巻といっても、大和長谷寺のもので、鎌倉長谷寺を中興した方によって寄進されたものだそうだ。上中下巻の絵巻だが、この寺では上、中巻だけで、下巻はない。ちなみに、どうも群馬県立歴史博物館にその下巻があるらしい。ついでながら三巻本そろいで所蔵しているのは、大和長谷寺のほか、出光美術館、大阪長谷寺、シアトル美術館、ジョン・パワーズ氏らしい。1,2巻だけのも含めると、全国九か所だけだという。絵巻物が大量に描かれた室町時代の作である。

前期は上巻が展示してあり、菅原道真による縁起文執筆などの前半のところが拡げられている。文書はわからないが、簡単な説明がある。その点、絵はいい。万国共通で、目である程度のことはわかる。100円で上・中巻のリーフレットを売っていたので、今、それをみながら書いている。一部、ご披露しよう。









その他、江戸時代作の紙本墨書、木判の鎌倉長谷寺に関する縁起本等が5冊ほど展示してある。その中には出世大黒天が弘法大師作という記述のもみられた。また、三十三応現身立像の三十三体も常設展示されいるが、見事なものであった。観音様の変化した姿を”応現身”というそうだ。怒った顔から穏やかな顔まで、いろいろあり、五百羅潅のように見あきない仏像さんだった。ぼくはいつもは穏やかな顔をしているが、テレビのニュースなどをみて、時々、なんだ、こいつらは、とか怒った顔になる(汗)。余程悔しいときは、酔ったついでにブログに、そいつらの悪口を書いて、さっぱりしてから寝る(爆)。

長谷寺の花々もきれいなのがいくつかあった。



錦鯉も負けずに、きれいだった

お線香もいろとりどりできれいだった。


観光客はぶすばかりだった。
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おもしろ御霊神社

2010-10-16 17:35:37 | Weblog

今日の予定は、まず、鎌倉文学館で川端康成と三島由紀夫展をみて、時間があったら長谷寺の特別公開”長谷寺縁起絵巻”でも観てくるということだった。だから、江ノ電は由比ヶ浜で降りなければならないのに、ぼーっとしてて、ひと駅先の長谷まで行ってしまった。それで、まず、長谷寺ということになり、宝物殿で、絵巻を観賞した。とても良かった(のちほど、感想文を)。そのとき一般展示の三十三応現身立像のうち、迦楼羅立像が県立歴史博物館の”天狗推参”展に出品中とあった。そういえば、光明寺の迦楼羅立像と並んであったっけ。それで、気が変わった。いくつもの天狗のお面を出品していた、近くの御霊神社に行ってみようと、思ったのだ(汗)。

御霊神社の境内は静かだった。早速、祭神、鎌倉権五郎景正の命日9月18日に行われる、面掛行列につかうお面の保管庫に入ろうとした。扉に、いくつかは歴史博物館に出展中だと張り紙があった。その横に、一度はみてみたい面掛行列の写真が貼ってあった。入ってみると、当然のことながら、出展中のものは写真だけだった。残りの、福禄寿、ひょっとこ、爺などの面はやさしい顔を向けてくれた。




そこを出ると、若い4,5名のグループにいろいろ説明しているおじさんがいた。どうも地元の人らしい。面白そうな話をしていたので、仲間に入れさせてもらった。何度も、紫陽花の時期などに、ここを訪れているが、はじめて聞く話が多く、とても為になった。

ここの狛犬は赤ちゃん狛犬を連れていて、子宝を願う女性は、なでていくんだよ。なるほど、たしかに、なでられた形跡がある。それを聞いて、グループの一人の娘さんがなでていた。

この庚申塔の三猿は踊っていて珍しいので、人気があるんだよ。

この手玉石と袂石は御祭神の権五郎が手玉にとった石で、近くの力餅屋さんが寄進して石碑を建てたんだ。甘党の、大の海関が来られ、力餅を食べて、この石を持ち上げたそうだ、


お宮の建物もこっているとのこと。ほら、あそこの透かし彫り、表側と裏側で違う模様になっているだろ。たしかに、そうだった。花と龍かな。

神社の階段も木製の太い柱だよ。


この大銀杏は雄、シンボルがついてるだろ(爆)、向こうのは雌、銀杏の実がいっぱいついてるよ。あっちのはオカマ(爆)。シンボルは大分、あとからついて、実もならないらしい。科学的根拠はありません(笑)。


おもろいおじさんに出会って、予定変更で良かったと思った。そうそう、神輿蔵も開けてみせてもらった。社殿のと、ぼくがいつか紹介した境内にある石上神社のもみせてもらった。ここには、大神輿と子供神輿があるが、昔は、この大神輿を3,40人で担ぎ、海上を石神さまのところまで立ち泳ぎで担いで行ったものだが、今は漁師は少なく、サラリーマンばかりでとてもできない。子供神輿で、それも船にのせ、担ぎ手は泳いでいくのだと言っていた。ぼくはそれでもすごいことだと、感心してブログに紹介したのだが、もっと昔は、漁師も多かったかもしれないが、大変な海上神輿渡御をしていたのだ。

(石上神社と遭難防止のため海中から引き揚げた大石;神として祭られている)


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天狗推参!

2010-10-16 11:19:30 | Weblog


横浜の県立歴史博物館で表記の特別展が開催されている。天狗というと鞍馬の天狗ぐらいしか思い浮かばなかったが、この展覧会をみて、思いだした天狗も随分いたし、天狗の歴史も、おぼろげながら(笑)わかった。

入場するとすぐ、大きな鼻高天狗と烏天狗が出迎えてくれる。茨城県稲敷市の大杉神社のものだった。茨城県民だったこともある、ぼくにとっては、やあやあ、というところだった。比較的近くに住んでいたのだから、知っていれば、行っておくべきだった。天狗の神社としては有名らしいことが、のちの展示でもわかった。常陸坊海存が数々の奇跡を起こし、天狗信仰へ発展したらしい。

天狗といえば、鞍馬寺、そのお寺から国宝3点がおでましになっていた。金銅毘沙門天像懸仏、金銅押出毘沙門天像ら3点で、第1章:”天狗推参!中国から天狗がやってきた!?”に展示されている。鞍馬寺には魔王大僧正という天狗がいるが、毘沙門天は天狗の化身といわれているのだ。わが神奈川からは、金沢文庫の称名寺から4点の重文の毘沙門天の墨書がこられていた。

天狗の先祖は、中国にあり、流星と考えられていたそうだ。日本で、はじめて天狗の記載が見出されるのは、日本書紀だという、その版本も展示してあった。その後、天狗は、時代によって、変幻自在の、とらえどころのない存在となって、現在まで生き続けている。だから、ぼくも変幻自在に、あまり考えず、気ままに、観させてもらった。第5章にくくっての展示であるが、それにこだわらず、面白かったものを、いくつか紹介してみようと思う。

高尾山も天狗の寺として知られているが、そこからの一本歯の天狗のはいた下駄、神奈川の弘聖寺の天狗の爪(化石)なんか面白かった。鎌倉の御霊神社からは、鼻高天狗と烏天狗等多くのお面が鼻高々にぼくをみていた。一度、有名な面掛行列に行こうと思っているのだが、まだ行っていない。来年こそはと思っている。

神奈川では大山や大雄山のお寺も天狗信仰の山で、縁起絵巻や御札などもあった。建長寺の半像坊にも天狗がいるが、今回はご機嫌が悪くて、横浜にはこられなかった。

天狗にまつわる絵巻や、曼荼羅、浮世絵(広重、春章、国芳等)、絵馬(牛若と鞍馬の天狗等)天狗草紙、舞楽面(法隆寺;重文)などに混じって、天狗論の本も、数冊展示してあった。その中に、柳田国男の”遠野物語”と”妖怪談義”もあった。

図録を買っておけば良かったと、今思うが、絵ハガキと柳田国男著”妖怪談義”の文庫本を買った。その本を読むと、各地に天狗にかかわる民話があり、我が国の先住民族が山奥に隠れ住み、偶然、出くわしたのではいう説を出されていたのは面白かった。この民話の天狗も、中国から渡り、悪者になったり、人の味方になったり、山の神になったり、変幻自在に姿を変えてきた天狗のひとつであろう。

これを機会に、何事にも天狗にならず、謙虚に生きようとおもう(爆)。

(御霊神社の天狗面)


(大山寺縁起絵巻)


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”歌・映画・小説のなかの横浜港”展

2010-10-15 18:16:38 | Weblog

横浜の歴史博物館で”天狗推参!”展をみて、みなとみらい方面に向かって、歩いていたら、日本丸の傍の横浜みなと博物館で、表記の展覧会をやっていた。歌も映画も小説も嫌いな方ではないので、ついふらふらと入ってしまった(汗)。

横浜の港を歌ったものとしては、ぼくでもすぐ思いつく、三つの歌の歌詞のパネルが入場してすぐの壁に掛けられていた。野口雨情の”赤い靴”と石田あゆみの”ブルーライトヨコハマ”そして美空ひばりの”港町十三番地”だ。

展示構成は、ほぼ年代順に6章に分けてある。第一章は”八十日間世界一周と霧笛/開港と外国人居留地”である。八十日間世界一周の船は、まず横浜港に寄港した。関連のものとして、川島忠之助訳の"新八十日間世界一周の上下二巻"、横浜居留地の商人と日本の若者の愛憎劇の小説、大仏次郎の”霧笛”、長谷川伸の本の他、当時の横浜地図や三代目広重の浮世絵があった。

第二章は”鴎外の桟橋と赤い靴/新港埠頭の建設”。鴎外の”桟橋”に、伯爵夫人がロンドンへ赴任する夫を見送るシーンがあるそうだ。本は、その他、獅子文六の”父の乳”、有島武郎の”或る女”、野口雨情の童話”青い目の人形”、”赤い靴”など展示されている。知らなかったが、大正9~12年に大正活映撮影所が山手にあったらしい。その写真もあった。

第三章”横浜行進曲と別れのブルース” やっと歌謡曲が出てきた。ブルースの女王、淡谷のり子の”別れのブルース”。♪窓をあければ 港が見える メリケン波止場の 灯が見える♪
ちあきなおみに歌わせると、絶品ですよ。映画ポスターも。勝新太郎の”かんかん虫は歌う”そして、日活ロマンポルノ”赤線本牧/チャブの女”。どちらもみたことはない。後者はとくにみたかった(汗)。

第四章”美空ひばりデビュー”。横浜出身の歌手といえば美空ひばり。横須賀出身の歌手といえば山口百恵(誰も聞いてないって?)。伊勢佐木町にひばりさんのブロンズ像があります。向かいの劇場が初舞台だった。最近、生誕地の磯子区役所にも、美空ひばりの碑ができました。でも、横浜の歌は少ない。前述の港町十三番地のほか、悲しき口笛(横浜関係?),港のみえる丘(カバー曲)のレコードジャケットが展示されていた。ひばりのマドロス、波止場シリーズは結構あるのだから、全部、横浜波止場にしてしまえばいいのにと思った。ぼくの好きな”波止場だよお父っあん”も入れてほしかった。

そして、第五章”裕次郎登場/そしてブルーライトヨコハマ。ここが、メイン。映画、歌謡曲の全盛期だ。ぼくらの時代だ。裕次郎の”錆びたナイフ、俺は待ってるぜ、赤いハンカチ”。赤木圭一郎の”霧笛が俺を呼んでいる”。小百合ちゃんのも、あった。”黒い傷あとのブルース”、”さようならの季節(浜田光夫共演)”その他、たくさんの横浜を舞台にしたた映画ポスターがずらりと並んでいた。

この展示室のコーナーに映写室があって、予告編だけど、先日亡くなれらた池部良と三船敏郎のやくざ映画が上映されていた。若い池部良だった。歌謡曲のジャケットも、百枚以上、あっただろうか。ブルーライトヨコハマ、ヨコハマたそがれ(五木ひろし)、伊勢佐木町ブルース(青江美奈)、女の波止場(森進一)、前述の裕次郎の映画の主題歌等々。

そして、最終章は、”港のヨーコ・ヨコハマからLOVE AFFAIRへ”。映画では健さんの”冬の華”、松坂慶子主演の”港のヨーコ・ヨコハマ”、館ひろし、柴田恭平の”あぶない刑事”、舞台では五大路子の”ヨコハマメリー”。歌では、ダウンタウンブギブギの、港のヨーコ・ヨコハマ、サザンオールスターズの”LOVE AFFAIR、マルシアの”ふりむけばヨコハマ”等々。このコーナーでは、あまり知る歌は少なかったがジャケットは、たくさん貼られていた。若い人なら知っているだろう。

さすが、ヨコハマだ。ぼくの実家のあったカワサキでは、ヒット曲はなにもない(汗)。ベイスターズもはじめは大洋ホエールズとして、川崎がフランチャイズだったが、ヨコハマにとられてしまった。でも最近、文化都市として売り出しているらしいし、住宅地としても評価が上がり、ヨコハマを猛追しているらしい。”ヨコハマたそがれ”になるのも時間の問題だ。(ヨコハマ市民の気持ち)。カマクラは永遠に不滅です。と言いたいけど、年寄りばかりで税収は上がらず、そのうち破綻するだろう。



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