気ままに

大船での気ままな生活日誌

尾張徳川家の至宝 えど博

2013-01-05 18:26:58 | Weblog
お正月美術館めぐり第一弾は”トーハクに初詣”だった。そして第二弾は”えど博に初詣”(笑)。”尾張徳川家の至宝”展。特別展としては、2013年トップを飾ったことになる。

ぼくは、名古屋の徳川美術館に、去年3月に訪れている。だから、そこの宝物たちには馴染みがある。でも、今回の目玉展示となっている、”源氏物語絵巻”は映像展示だけだったし、”初音の調度”もごく一部の展示だった。それら国宝が両国まではるばるやってきたのだから、松の内に行かねば、と思っていた。

それら至宝は、会場の大分奥まったところに鎮座していた。源氏物語絵巻だからといって、絵巻物が拡げられているというわけではない。保存が目的で昭和7年に十年もかけて、それぞれの場面ごとに額面装に仕立てられた。だから、その場面だけの額が飾られている。尾張徳川家は、15場面(絵15面・詞28面)を所蔵しているが、そのうち2場面(詞4面)がここに来ている。女三宮の生んだ薫を抱く光源氏を描いた、”柏木三”(期間限定展示)と、薫が浮舟の隠家を訪う場面の、”東屋二”(今回は、現状模写のもの、他日、本物を展示)。多少、色は褪せていても、国宝だ。ぼくもそうだけど、皆、穴のあくほど見続けていた。

そして、もうひとつの国宝は、家光の長女、千代姫が三歳のとき、尾張徳川家にお嫁入りしたときに持参した婚礼道具、”初音の調度”。”初音”とは、源氏物語の”初音”の帖、”年月を 松にひかれて ふる人に 今日鴬の 初音きかせよ”を全体の意匠とし、その歌の文字を葦手書きに散らしているところに由来する、とのこと。室町時代からの蒔絵師、幸阿弥家十代の長重の作。調度品一揃いまとめて国宝に指定されている。これも、展示替えがあるので、今回は”貝桶”だけで我慢する。素人目にも素晴らしい作品だとわかる。貝桶とは何かと思ったら、貝合わせを入れる桶のことで、江戸時代の嫁入り道具の必需品なのだそうだ。何故、嫁入り道具? 合せ貝には蛤を用いるが、蛤の貝殻というのは、他の貝殻とぴったり組み合うことがない、それで、女性の貞操の象徴とされたとのこと(笑)。後期展示は鏡台、こちらも豪華そう。

さて、今回、ぼくが珍しく、一番、時間をかけてみたのが刀剣。この日が刀剣に目覚めた日になるかもしれない(爆)。銘”村正”。妖刀伝説がある名刀だ。でも、徳川美術館は後世の創作だとして、これを否定している。その刀文がいかにも妖しく乱れている。家康の父、祖父もこの刀で斬られたという。尾張徳川家に家康の形見として伝来した。そして、国宝が2点。一つは、太刀・銘 来孫太郎作で、 家康から尾張初代に渡ったもの。もう一つは、太刀・銘 国宗である。金象嵌・銘 正宗磨上・本阿弥は、伊達正宗、秀忠、家光と伝来したもの。また、”今宵の虎徹は良く切れる”の虎徹作の脇指なども。いずれも刀文が魅力的。ここにあるのは、ごく一部で、徳川美術館には国宝8口、重文19口など計500口もの刀剣を所蔵しているというからすごい。

まだまだ、宝物がいっぱいだが、いくつか挙げておしまいにしよう。正倉院伝来の伽羅(正倉院展で、その原木を拝見したことがある)などの香木がいくつも。また、香木を炊くための道具とか、香木の種類を言い当てる競技の、採点に使用する香札や札筒などの道具一式を納める、”秋の野蒔絵十種香箱”も面白かった。茶の湯の部門では、まるで鉄のような備前水差や、油滴天目(星建盞)、井戸茶碗 銘 磯清水、柿の蔕茶碗、竹の子文志野筒茶碗等いい茶碗がずらりと。そうそう、子供の火事装束や三十六詩仙図額(伝 狩野探幽筆・石川丈山賛)なんかにも立ち止まった。随分、長居してしまった。また、今年中に、名古屋の徳川美術館に行ってみようと思った。

源氏物語絵巻、”柏木三”


初音蒔絵貝桶


銀溜白糸威具足(尾張家初代義直所用)、徳川家康画像(伝 狩野探幽筆)、古備前水差


秋の野蒔絵十種香箱




。。。。。

今日の、逗子・亀ヶ岡八幡宮の亀さん。お正月でうれしそう。逗子図書館で”刀剣のみかた(広井雄一著)”を借りてきた(笑)。

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浅草のワンちゃん 新年のご挨拶

2013-01-04 18:33:32 | Weblog
浅草のワンちゃんが新年のご挨拶をいたします。




1月4日 新年の浅草は大賑わい。


このお店も、大賑わい。



ワイフの好きなどら焼き。とても並べませんでした。

ぼくの好きな海老蔵の浅草新春歌舞伎。10日、第一部のチケットをゲット。お年玉〈年始ご挨拶〉、寿曽我対面そして極付・幡随院長兵衛。
賑わう浅草公会堂。


賑わう浅草演芸ホール。今日は大変な賑わいでパスしましたが、正月興行の20日までには必ず行くノダ。


賑わう獅子舞


ここも浅草? さてどこでしょう。中村座もあります。江戸歌舞伎発祥の芝居小屋。中村屋! 勘三郎


これを観にきました。明日、ご報告記事を。


そうです、えど博です。
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正月3日は鎌倉七福神めぐり

2013-01-04 08:42:48 | Weblog
お正月恒例の、鎌倉七福神めぐりをしてきました。いつもは江の島の弁天さまから入り、江ノ電で、御霊神社、長谷寺へというコースをとっていたが、今年は逆回りにした。ぎりぎりまで箱根駅伝を観ていたので、出発が遅くなり、江の島抜きで、鎌倉七福神だけでもよしと出掛けた。

まず、北鎌倉の浄智寺。ここは、ぼくのブログでもよく紹介している布袋さま。先月もお腹をさすって、ノロを退治してもらった。また、今日も、お腹の快調と突き指をしないように(笑)、お腹と指をさすって、祈願した。

布袋尊 浄智寺


そして、八幡さまへ。鎌倉街道は一般車両が通行止めになっていて、八幡さまに向かうバスが次々来る。普通なら歩くところだが、ここは、少しでも時間節約にとバスに乗る。八幡さまは第三鳥居のところまで、参道いっぱいの初詣の人々で一杯だった。正月三日だからね。でも、この列に加わる必要はない。鳥居のすぐそばの源平池に浮かぶ島に旗上弁財天社に、弁天さまがおられるから。今年も美術や芸能関係をたくさんみられるように祈願した。

弁財天 旗上弁財天社(鶴岡八幡宮)


八幡さまの賑わい


そして、鎌倉街道を少し行った、つきあたりに宝戒寺がある。ここは毘沙門天さま。内陣に入り、毘沙門天さまのお参りする。中国が悪さをしないようにお願いした(爆)。

毘沙門天 宝戒寺


小町大路を下ると、すぐに妙隆寺。本堂前の御堂に寿老天さまがおられる。健康長寿をお願いする。コロっといくならいつでもいいですとも言っておいた(爆)。

寿老天  妙隆寺



さらに先に行くと、鎌倉えびすで賑わう本覚寺に着く。えべっさまに若い人の働き口を増やして、国内の景気がよくなるようにお願いした。



お神酒を福娘さんからいただいた。(汗)


そして江ノ電。すごい混みよう。やっと車内に、長谷駅で降りて、長谷寺へ。初日の出も観に行っているから2度目。ここは大黒さま。大国天にお参りし、今年もニコニコできますようにとお願い。そのためには健康第一。お金も着物もいらないわ、あなた(健康)ひとりが欲しいのよ。たまにはお座敷でいっぱいやりたいけどね(汗)。

大黒天 長谷寺




そして、5分も歩くと、御霊神社。通称(鎌倉)権五郎神社。。”奥州後三年記”によれば、権五郎景政は左目に突き刺さった矢を抜くために、武士が景政の顔に足をかけたところ、景政は無礼者と叱責したという。鎌倉権五郎景政といえば歌舞伎18番”暫”。しばらく幸福でいられますように。

福禄寿 御霊神社


極楽寺駅はそこから5分ほど。元旦、駅の土砂崩れがあり、不通になり、ぼくは鎌倉から江の島まで歩かざるをえなくなり、すでに報告した通り、歩数、22222歩を記録した。(ついでながら、2日目は16161歩で、3日は、17654歩でした。今日はえど博プラスぶらぶら歩きですので、20000歩にぴたりと着地したいと思っています。汗)。
時間に余裕が出来たので、江の島神社へと思ったが、江の島方面行きが超満員で乗れない。仕方なく、鎌倉方面へ向かって、帰宅したのでした。

極楽寺駅の土砂崩れあと。


鎌倉七福神、すべてを巡りました。


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馬込時代の川瀬巴水

2013-01-03 10:36:18 | Weblog
昨年のマイ美術展ベストテン第五位に、この”馬込時代の川瀬巴水展”(太田区立郷土博物館)を挙げたのに、まだその感想文を書いていないことに気付いた。それに、この展覧会は記念すべきときに見ている。すなわち、’12年12月12日12時12分12.12秒にその会場にいたのだ。その記事を書いたので、もうすっかり済んだものと思っていたのだが、展覧会の内容については、全く触れていなかった。

並みいる強豪を抑えて、何故5位か。それはね、5,6年前から巴水フアンになって以来、こんなにたくさんの巴水作品を一度に観たのが初めてだったから、カンドーしてしまったわけ。”馬込時代”というのは、巴水が馬込に、洋館つくりの住居を構えた、昭和5年から19年までのまでを指す。この時代は巴水は全盛期ともいえる時期だそうで、その時代の作品が、なんと100点も地元の博物館に並んだのだ。それも、なんと、無料。1300円はとってほしかった、それくらいの価値はある(笑)。

1930年からはじまって、1943年まで制作順に展示されていて、とてもわかりやすい。昭和5年(1930)作で、ちらしの表を飾る”東京二十景”のひとつ、”馬込の月”が、まず迎えてくれる。巴水ブルーがうつくしい、夕景である。おまけにぼくの好きな、まんまるお月様も。この年の10点ばかりの中に、”相州七里ヶ浜”と”鎌倉大仏”があり、つい、にこり。

昭和6年になると、名作ずらり。泉岳寺、池上本門寺ときて、代表作ともいわれる清洲橋。この辺では、立ち止まる時間が長くなる。”清洲橋”については、さまざまな摺りの作品をみせてもらえる。これも典型的な巴水ブルー。ロバート・ムラーがハーバード大学生時代,ニューヨークの美術店でこれを見て感動、その後、大正・昭和期の新版画の世界的なコレクターになった。

池上本門寺は雪景色。夕景もいいが、巴水の雪景色も格別。今回の展示作品にも、そのほか、月嶌の雪、雪の向島、根津権現の雪、芝大門の雪、雪の夜浦安、とかの様々な雪景色を堪能した。あれ、いい雨もあるじゃんと、今回、はじめて思った。まるで広重の名作の雨のような。”今井橋の夕立”と”修善寺の雨”。雨の筋がぎっしり、天から落ちてくる。こんな雨なら濡れていきたい(笑)。

昭和14年には朝鮮旅行をしていて、”朝鮮八景”も描いている。巴水風から少し離れたような風情。山川秀峰から誘われ、戦時中で少しスランプになっていた頃で、渡りに船とひと月、遊んだ。帰国後、”続朝鮮風景”も描いている。そのひとつ、”朝鮮慶州臨海亭”はブルーではなくピンクの夕焼け空がとてもきれいだ。

自画像の描かれた風景もしんみりした感じがよかった。人物(巴水)が風景に溶け込むように描かれている。何度か観ている作品だが、清水寺と上州法師温泉。

そこで買った、小冊子の図録をみながら、思い出しているが、本当に、いい展覧会だったと、改めて思う。5位ではなくて、3位に上げても良かったと思うが、もう遅い。今年の5月18日が生誕130年とのことだ。また、どこかで、生誕記念の巴水展を開催してくれないかな、と密かに思っている。

馬込の月


大森海岸


清洲橋


池上本門寺


月嶌の雪


自画像のある風景
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トーハク東洋館リニューアルオープン 初日に

2013-01-03 08:12:54 | Weblog
1月2日に、トーハク東洋館がリニューアルオープンした。その初日に行くぞ、というのがかねてからの企てであった(汗)。それが実現できてうれしい。とてもステキな美術館に生まれ変わっていた。

まず、初回だから、全体をさらりと観ようと、廻った。それでも1時間ほどはかかった。でも、名残り惜しくはない。いつでも、来れるから。特別展が始まれば、それとセットでまた見学する予定。法隆寺館の方はたまにしか行かないが、ここは何度でも来てしまいそうな感じ。

というわけで、ここでの紹介も、廻った順にさらりとおおまかに。

外観


展示室は地下一階から五階まで。 4階は”中4階”みたいな感じでエレベーターは止まらない。


展示室風景 西アジア、エジプトまで含めて、東洋全般の美術品がずらり。
















中国書画、陶磁器が圧巻。




・・・


もちろん、行きますよ。円空さんもそろそろいらしゃるしね。今度は一つひとつ、ゆるりと観たいと思っています。





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博物館に初もうで

2013-01-02 19:34:02 | Weblog
正月2日の”初日の出”を拝み、箱根駅伝の一区だけみて、出掛けた先は上野。もちろん、”博物館に初もうで”。



早速、獅子舞がお出迎え。


館内には池の坊。


お目当ては。国宝、光琳の風神雷神図屏風。出光の風神雷神は、抱一がこれを参照した。


もうひとつお目当て。トーハクの等伯(笑)。国宝、松林図屏風。人気者。


知らずに行った。若冲も。酉年にはうれしい屏風。


おお。これもあった。梅酒好きなワイフにはうれしい屏風。弱法師(よろぼうし)by 下村観山。三溪園の臥龍梅を写生したもの。


琴棋書画図屏風 by 海北友松


巳年に因んだ作品も。

十二神将 巳神 頭の上に蛇が。


歌麿の浮世絵にも、蛇が。


露骨な自在置物の蛇。


お口直しに。志野橋文茶碗 銘橋姫で一服どうぞ。松永安左エ門のコレクション


お部屋も用意いたしました。迎賓室でございます。


ご機嫌が直りましたかな。


・・・・

途中で、箱根駅伝をチェック。城西大と中大の山登りで無念の棄権。選手のことを想うとついほろり。明日は中継を見なければ。茅ヶ崎辺りで応援という手もあるかな(汗)。またドラマが待っているだろうなあ。

リニューアル東洋館も観てきました。それは次回に。
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初日の出と初富士 初月の入りも

2013-01-01 16:49:07 | Weblog


初日の出は長谷寺でみようと勇んで、暗いうちに出掛けた。鎌倉駅から江ノ電に乗り換えようとしたら、こんなお知らせの貼り紙が。”午前5時頃、極楽寺駅で土砂崩れがあり、現在、鎌倉・稲村ケ崎間は運転を見合わせています”と。がーん。新年早々、初トラブル発生。しかし、気を取り直して、そうだ歩けばいい、と長谷寺に向かう。

30分も歩かない内にお寺に着く。主な交通手段が途絶えたせいか、境内は空いている。石段を登り、由比ヶ浜を望む展望台に。初日の出はどうか。まだ昇ってきてはいなかったが、東の空には雲がかかっていた。がーん。皆、ちょっと残念そう。そのうち、山の端が明るくなって、雲の向こうにお日さまの影が。そして、10分もして、歓声があがった。雲間からちらりと姿を現したのだ。完璧とはいえないが、まずはグー。

初日の出 長谷寺にて


久米正雄像と初日の出


観音さまと初日の出


半満足して(笑)、お寺を降り、向かうは由比ヶ浜。ここでも初日の出を拝む。初ウインドサーファーも。




さらに、稲村ケ崎に向けて歩く。もちろん、狙いは初富士。西の空が晴れていたから、岬の向こうでは見えるはず。期待に胸はずませて、足が早まる。新田義貞の頃は稲村ケ崎は海を廻るしか道はなかったが、その後、切り通しができ、現在、そこを国道134号が走っている。その切り通しに入ると突然、目の前に大きな大きな富士山が現れた。それも完璧な富士が。初富士だ!!!。稲村ケ崎の公園からゆっくりと見物。素晴らしい、正月元旦の富士。わが生涯最高の元旦富士といっていい。断言する。 

初日の出はもうひとつだったけれど、初富士は最高。最高の正月を迎えることができた。ワイフに早速、電話。どうも起きたばかりのような声だった。

稲村が崎からの富士。左に江の島。


北斎みたいな(笑)、浪と富士。


初泳ぎ


そして、お月さまが富士山に沈もうとしている。初月の入り(笑)。


さらに、江の島に向かって歩く。西田幾多郎の歌碑を通り過ぎ、鎌倉高校前を過ぎて、モノレールの江の島駅まで。随分、歩いた。そのあと、家でふたりでおせち料理をつまみながら、お酒とお雑煮を。午後、近所の神社に初詣りをして、お正月の元旦が過ぎていった。素晴らしい元旦だった。

歩数計をみたら、22222歩であった。なんと、うれしい数字だこと。にににににと初笑いも。




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