みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

妻の体に触れたいのに(66歳男性)/性欲?関係欲?「触れたい欲」?(上野千鶴子さん)

2009-09-09 09:55:02 | ジェンダー/上野千鶴子
花たちの開花に追いかけられて、庭の草刈り。
秋明菊や萩、ヤブランが咲くのに、なんとか間に合いました(笑)。

 


朝日新聞beの〔悩みのるつぼ〕、先週の土曜日の回答者は、上野千鶴子さん。
相談者は、66歳の無職男性「妻の体に触れたいのに・・・・」。

7月4日の「性欲が強くて勉強できません」という相談と回答を読んで、
上野さんに、自分の悩みを聞きたくなったようです。
 
 「悩みのるつぼ」2~性欲が強くて勉強できません:
上野千鶴子「むずむずしたら自分でほぐしましょう」(2009.8.5)


ということで、66歳の男性の「性の悩み」と上野さんの回答を紹介します。

〔悩みのるつぼ〕
妻の体に触れたいのに・・・・
(相談者 無職男性66歳)
 
 7月4日の「悩みのるつぼ」の欄に若い女性の性の悩みの相談があり、多少ふらちな興味で読んでしまいました。
 ところで、私は66歳の無職の男性ですが、性の悩みは決して若い人だけのものではなく、自分にもあることがわかってきました。私の妻は62歳で、長男夫婦と孫3人の7人で、現在暮らしています。
 私たちの夫婦仲は普通だと思います。ですが、すでに性生活はありません。
 私にとって不満が残るのは、妻が自分の体に触れられるのを嫌がることです、一切を拒否されるので、我慢ができなくなるのです。
 年齢を重ねれば、夫婦生活がなくなっていくのは自然の成り行きだとは思っていました。ただ、私としては、時には妻の体に触れてみたいという、性欲のようなものが残っています。この思いはどうすることもできず、ほかにあたることかあったりします。
 といって、いまさら、外で処理しようとは考えられません。思うに、私のような悩みを持っている同じような境遇の男性、あるいは女性が結構いるのではないかと思います。ただただ我慢するしかないのが、今の私の悩みです。
 ちなみに私は男性機能はなくなっています。それなのに妻の体に触れたい気持ちを持つのが異常なのでしょうか。

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(回答者) 社会学者 上野千鶴子
 

 また回答者のご指名を受けました。うれしいことです。
 この広い世界で触ってよい異性がたったひとりとは、ご不自由なことですね。それというのもあなたがそういう契約でご自分を縛ったらこそ。「結婚とは、自分の体の性的使用権をたったひとりの異性に生涯にわたって譲渡する契約のこと」とわたしは定義しています。こんなことを部数800万部の全国紙に書けるようになるなんて、よい時代が来ました。
 ところで、あなたが触れたいのは、妻でなくてもかまいませんか、それとも妻でなければなりませんか? それによって答えは違ってきます。もし前者なら、契約を解除するか、もしくは妻に契約違反を許可してもらわなければなりません。妻の方も、あなたに触れられるのがイヤなだけでなく、あなたが他のすべての異性に触れるのがイヤなのでしょうか。これも聞いてみなければ分かりませんね。
 もし後者なら、これは性欲というより、関係欲というものです。性器挿入がなくても親密さを表現する手段としてのスキンシップはあってあたりまえ。あなたの側に妻に親しみたい気持ちがあって、妻の側にないとしたら、これは「片思い」というものですね(苦笑)。
 でも、もしかして、妻がそうなるにはそれ相応の理由が過去にあったのではありませんか?
 「妻が自分の体に触れられるのをいっさい嫌がる」関係を、「普通の夫婦仲」とは呼びません。夫婦ってこんなもんだ、と思うそんなあなたの鈍感さを、妻は嫌がっているんじゃありませんか?
 触れるのが親密さの証なら、まずあなたと親しくなりたいというサインを妻に送り、過去を反省して、妻と関係を結び直すことです。夫婦であることに胡坐をかいてはいけません。
 それともこれはたんに「触れたい欲」というものでしょうか。それなら解決策はかんたん。小さい孫だの、ペットの犬猫だの、ふわふわしてやわらかいものを身近において、思いっきりさわり倒し、抱きしめてあげてください。体温のあるやわらかいものをさわる楽しみを、女性は子育ての過程でたっぷり味わっています。赤ちゃんが生まれてから夫に触れたい欲望がなくなったという女性もいるくらいです。孫のお守りをすすんで引き受けてはいかが? 喜ばれますよ。
(2009.9.5 朝日新聞)



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話しは変わりますが、
家の西に回ったら、イチジク・バナーネがたくさん秋果をつけています。
ネットや枝に巻きついたヤブガラシを退治してすっきり。
 
昨日は、熟している実もいくつか見つけました。
  
バナーネは、夏果は世界一大きいイチジクとしても有名な品種です。
西洋種なので口が開かず、実も青いまま熟すので、
収穫時期がむずかしいのですが、秋果は糖度が高くて激甘。

まだ少ないので、そのまま食べてしまうのはもったいない。
ということで、
     ことし初物のバナーネで「生ハム巻き」を作りました。
     イチジクの甘さと、生ハムの塩分がマッチして、美味です。


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