バースディにティファールのお鍋セット
をもらったので、お料理をするのが楽しくなりました。
高島屋のデパ地下で買ってきた鹿児島黒豚「黒の匠」と
マグロのほほ肉でカツレツを作りました。
フライものを作るのは1年ぶりくらい。
卵と小麦粉とパン粉をつけて、少な目のごま油を深い鍋に入れて、
両面をソテー(揚げ焼き)します。
黒豚カツレツとほほ肉は、驚くほどの柔らかさ、
ネギは甘くてジューシーです。
前日には、大きいほうのフライパンで、羽根つき餃子もつくりました。
ほらこんなにきれいにパリパリにできます。
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2012年になって、よい記事が多い中日新聞の生活面を紹介することが増えたのですが、
毎日新聞にも、付箋をつけることが多いです。
12月に「奪われた私」(DV問題)を連載していた
稲田佳代さんの署名記事も、とっても良いです。
「記者の目」と「奪われた私・反響特集」と続けて掲載されました。
記者の目:絶えないDV被害=稲田佳代(生活報道部) ◇求められる若者への予防啓発 DV(ドメスティックバイオレンス)防止法が施行10年を迎えた昨年、くらしナビ面で「奪われた私」(12月20~23日)を連載し、DV被害者を取材した。夫や恋人から繰り返し言葉の暴力を受けながら、被害を自覚できずにいた人がほとんどで、被害者らは「もっと若いうちにDVのことを知っていれば」と口をそろえた。いま私は、若者向けの予防教育を広め、早期にDVの芽を摘むことの必要性を痛感している。 東京都内に住む40代の女性は「夫は手を出さなかったので、DVとは思わなかった」と話した。20代半ばで結婚。夫は箸立ての箸の差し方などささいなことをあげつらい、「どんな育て方をされたんだ」と詰め寄った。女性も最初は言い返していたが、怒る理由を見つけては感情を爆発させる夫に疲れ、「ごめん」と謝ってしまうようになった。夫の言いがかりはエスカレートし、結婚4年目、妊娠中に顔を平手打ちされ、「もうダメだ」と感じたという。 言葉での攻撃や無視、物を投げつけて威嚇するなどの行為は「精神的DV」と呼ばれる。外傷を伴わない分、周囲はもちろん、本人も被害に気付きにくいが、心の傷は深い。加害者が激しい攻撃の後に、優しくなったり泣いて謝ったりすることもあり、被害者は「今度こそ変わってくれる」と期待してしまう。 結婚していないカップルに起きるDVもある。「デートDV」と呼ばれ、相手を束縛する行為を愛情と勘違いしてしまう。西日本の30代女性は高校時代、彼氏と毎日会い、その都度、性行為を求められた。避妊もいいかげんだった。だが嫌な時も「恋人だから断ってはいけない」と我慢。友人には「愛されている証拠」と言われたという。 その後、2人は結婚したが夫の立場は一方的に強くなるばかり。結局、浮気した夫から離婚を迫られた。女性は「若い時にDVの知識があれば、違う関係を作れたかもしれない」と話す。 ◇増える相談件数、10年度過去最多 全国の「配偶者暴力相談支援センター」に寄せられるDVの相談件数は年々、増加している。10年度は過去最多の7万7334件と、02年度の2倍以上に上る。携帯電話の普及で、一緒にいない時でも相手を束縛しやすくなったことも、増加の一因とみられる。昨年12月の長崎ストーカー殺人事件など、凶悪犯罪に発展するケースも絶えない。 だが夫婦や恋人関係のあり方は一様ではなく、どこからがDVなのか、判然としない人も多いだろう。線引きの仕方が私にも疑問だった。 被害者支援などに取り組むNPO法人「ウィメンズネット・こうべ」(神戸市)の正井礼子代表は「恐怖感」を判断基準に挙げる。「相手に怒鳴られた時、男性は腹が立ったと答えるが、多くの女性は怖かったと答える。受け取る側が恐怖を感じればDVになる」と説明する。 セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の場合、相手が嫌がる行為がセクハラになるのと同様だ。「セクハラ」という言葉の登場とともに対策が進んだように、DVがもっと認知されれば、「これって暴力かも?」と問うきっかけが増えるはずだ。 ◇寸劇を取り入れ高校で予防講座 加害者は相手を自分の所有物のように見なし、DVが悪いことだと認識しない。NPO法人「エンパワメントかながわ」の阿部真紀理事長は、対等な関係性を左右でバランスがとれたてんびんに例える。「どちらかが上になって固定化してしまうと、暴力になる」と指摘する。固定化する前の対策が必要だ。 同法人は神奈川県内の高校で、デートDV予防講座を実施している。まず、生徒たちに寸劇を披露する。女友達とカラオケに行く約束をしていた女子高生を、年上の彼氏が強引に映画に連れて行くストーリー。生徒たちは役柄の立場に立ち、「彼氏は上から目線だよね」「彼女は悪くないのに謝っている」などと発表し合い、せりふを書き直す。阿部理事長は「力関係の差が小さいうちに、ちょっとヘンだな、と気づいてほしい」と狙いを語る。 DV予防講座は全国各地で少しずつ広がっている。受講したある男子大学生(22)は「彼女に『何で自分の言う通りにしてくれないのか』と詰め寄ったこともあるし、自分は絶対DVをしないとは言えない」と率直に話していた。こうした自問自答こそが問題の解決の第一歩だと思う。 内閣府は06年から予防啓発の研究を始め、10年には若者向けのパンフレットを作製した。しかし授業時間の確保の難しさなどから、講座を実施するのは一部の自治体や学校に限られている。誰もが加害者、被害者になりうることを、若者たちに伝える責務がわれわれ大人にあるだろう。 ============== ご意見をお寄せください。〒100-8051毎日新聞「記者の目」係/kishanome@mainichi.co.jp 毎日新聞 2012年1月18日 |
奪われた私:DV防止法10年 反響特集 不安・憎しみ、消えず 昨年12月20日から計4回にわたり、DV(ドメスティックバイオレンス=夫婦、恋人間に起きる暴力)に苦しむ女性たちを追った「奪われた私~DV防止法10年」には、多数の反響が寄せられた。自ら手紙を送ってくれた作家、夏石鈴子さんの体験をはじめ、DV被害に悩み、苦しむ女性たちの声を改めて紹介する。【小川節子、稲田佳代】 ◇「あなたのせいじゃない」に救われた/記事「私のことだ」 夏石さんは、物心ついたころから、朝は父親の怒鳴り声で目が覚めたという。小説の中にも体験はそのまま描かれている。 「わたしたちには目覚まし時計はいらなかった。朝から罵(ののし)り合う2人の声で目が覚めるのだった。そんなに大きな音をたてて新聞を置く奴(やつ)がどこにいる、朝からこんなごてごてした味噌(みそ)汁を出すな、なんだこの豆腐の切り方は……」(角川文庫「バイブを買いに」所収「ママ」より) 「父は何に怒り出すかわからなかった。食事中ははしで殴られるので、いつも不安と緊張で苦痛だった」 休日、大酒を飲み寝ている父に、母が「酒臭い」と文句を言うと、父は力いっぱい母を殴りつけた。「誰に養ってもらってるんだ」「そんなに嫌なら出ていけ」という言葉が絶えず家族に投げつけられた。 さらに、夏石さんら3人の子どもたちは母から「あんたたちがいるから離婚できない」「お前なんか産まなきゃよかった」と、ことあるごとに言われた。 「両親が殴り殴られるのを見るのは、それだけで子どもへの虐待です。一度もほめられず、親から産まなきゃよかったと言われて育つと、自分に全く自信が持てなくなる。自分はマイナスからスタートしているとしか思えず、今も大きな不安に押しつぶされそうになる」と夏石さん。 現在、夏石さんには中学1年の長男と小学5年の長女の2人の子どもがいる。「自分が愛されなかったのに子どもを愛せるのか」と、絶えず不安に襲われる。自分の言うことをきかない子どもたちに手を上げそうになることもある。 「自分が親からぶったり蹴ったりされてきたのに、そうでない私の子どもはずるいと思ってしまう。こんな異常な感情をどうしたらいいかわからず、苦しくてたまらなかった」 昨年の夏、思い切って長女が通う小学校のスクールカウンセラーを訪ねた。そして幼いころからの自身の体験や苦しみをすべて吐き出した。するとカウンセラーは「あなたのされてきたことは虐待です」「親にぶたれたのも、親が不仲なのも、あなたのせいじゃない」と言った。夏石さんは「その言葉で心底救われた」という。 「私と同じように苦しんでいる人は少なくないと思う。私もそんな人たちに『それはあなたのせいじゃない』という言葉を届けたい」 「大切なのは、あきらめずに『助けて!』と言い続けることだ」と夏石さん。「怖がって1人で生きていく必要はない。私は親のコピーではないし、子どもも私のコピーではなかった」と言い切る。 ■ 「生まれてきたくなかったと心から思う。だから、子どもを持たないことにしました」 関東地方在住の30代後半の女性Aさんからそんなメールが寄せられた。父親による母親への暴力が日常的に繰り返される家庭に育ち、結婚するのが怖かった。だが、縁あって数年前に結婚。子どもを産もうと一時は考えたが、父が母を殴るつらい記憶ばかり思い出し、やがてうつ病を発症。子どもはあきらめた。 父の暴力は、父方の祖母による母へのいじめと同時に始まった。裕福な祖母は、実家の家業が倒産したAさんの母を軽んじ、「嫁は労働力」と言って、こき使った。また「跡取りだけが大切」とし、徹底的に父と弟だけを優先させた。 大学教授だった父は毎日酒を飲み、気に入らないことがあるとすべて母のせいにして殴った。運動会の日は「男がそんなものに行けるか」と怒り、あてつけに一升瓶を畳の上でたたき割った。 泣いて父を止めるのが、姉、弟ら子どもの役割だった。母は特にAさんを頼り「大きくなったらお父さんよりえらくなって私を助けに来て」と繰り返し言った。その期待に必死に応えようとした。「おかげで私はものすごくまじめ。自己主張できない。嫌なことを言われても言い返せず、すぐに傷つく。『奪われた私』は私のことだと思った」 25歳のころ、母が殴られている最中、助けを求めて110番通報した。何も言わないまま切ったが、父は受話機を奪ってAさんの頭を殴った。だが、それを最後に父の暴力がぱたっとやんだ。初めて外からの目を意識したようだった。 今、何事もなかったかのように仲良く暮らす両親が憎くてたまらない。「さんざん私を利用したくせに……。絶縁したいと思うのに、『親を大切にしない自分』に罪悪感を覚えてしまう」と苦しむ。「30歳前にようやく自分が親の言いなりになってきたと気づいた。もっと早く知りたかった。両親でない誰かに私を育て直してほしい」と本気で願う。 首都圏在住の60代の女性は「夫は精神的DVだったんだ、と記事を読んで納得しました」と手紙を寄せた。 夫は夕食のメニューが気に入らなかったり、意見が食い違うと怒鳴り、女性が口答えすると物を投げつけた。「夫や子どもの前で笑顔を作れず、子どもも家の中では笑わなかった。料理も掃除もちゃんとできない自分が悪いとずっと思っていた。でも、そうじゃなかった」と35年間の結婚生活を振り返る。 記事を読んだ夫にも小さな変化があったという。謝罪はないが、「寒いから気をつけて」と女性の体を気遣うようになった。 「憎しみや恨みは今も強い。怖くて一緒に出掛けることもまだできない。でも、時間をかけて少しずつ夫を許していけたら、と思う」 ============== ■人物略歴 ◇なついし・すずこ 1963年、東京生まれ。97年に「バイブを買いに」でデビューし、働く女性、主婦の視点から作品を発表している。エッセー集「虹色ドロップ」「新解さんの読み方」など。 毎日新聞 2012年1月20日 |
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