みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

「改憲もってのほか」 宮崎駿監督の冊子寄稿文/映画「風立ちぬ」も公開

2013-07-20 08:55:16 | ほん/新聞/ニュース
参院選の投票日を前に、宮崎駿監督が
スタジオジブリ発行の小冊子「熱風」に改憲反対の寄稿文を掲載しているそうです。

「参院選の投票日(21日)前に読んでほしい」ということなので、
昨日、中日新聞のwebで見つけて、一足早くP-WANにアップしたのですが、
今朝の中日新聞の紙面に載りました。

わたし自身は、特に支持する政党もないので、
ネット選挙運動とは距離を置いていたのですが、
公示後は、できるだけ参院選の記事を載せるようにしてきました。

「選挙運動」ができるのは今日までで、明日の投票日は禁止です。

投票日前日は、宮崎駿監督の冊子寄稿文のことを紹介します。
ぜひ、あなたも投票前に読んでください。

   「改憲もってのほか」 宮崎駿監督の冊子寄稿、反響大きく
(2013年7月19日 中日新聞) 

 「憲法を変えるなどもってのほか」。スタジオジブリ(東京都小金井市)が、毎月発行している無料の小冊子「熱風」の最新号で「憲法改正」を特集し、宮崎駿監督(72)が寄せた記事が話題を呼んでいる。全国の書店では品切れが続出。ジブリ出版部は反響の大きさから、「参院選の投票日(21日)前に読んでほしい」と18日、急きょジブリ公式ページで公開を始めた。

 熱風は「スタジオジブリの好奇心」が副題で、毎月趣向を凝らした特集を組む。過去には「デモ」「グローバル企業とタックスヘイブン(租税回避地)」など、社会的なテーマも扱ってきた。

 編集長の額田久徳さん(50)によると、今回の特集を発案したのはプロデューサーの鈴木敏夫さん(64)。意見の分かれるテーマだけにためらいもあったが参院選を前に「ジブリとしての旗色を鮮明にしよう」と腹を決めた。

 執筆もジブリの重鎮に依頼。宮崎監督に加え、高畑勲監督(77)が「60年の平和の大きさ」と題して寄稿。本紙に5月、掲載された鈴木さんのインタビューも、「9条世界に伝えよう」として収録された。いずれも憲法9条や改憲手続きを定めた96条の改憲に反対する内容だ。

 宮崎監督は談話形式の記事で「選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです」と明言。また、日本の戦争責任や産業構造の問題点などについても率直に語っている。

 10日から全国の書店で配布した約5千部はあっという間になくなった。出版部にも「読みたい」と電話が殺到するなど、過去最高の反響という。「憲法を守るための最大の敵は国民の無関心。興味を持ってもらえたのがうれしい」と額田さん。

 20日に公開される宮崎監督の最新作「風立ちぬ」はゼロ戦の設計士が主人公で、戦前が舞台。戦争の直接的な描写はないが、平和について考えさせられる内容も含んでいる。「たくさん考えて投票に臨んでほしい」。それがジブリの願いだ。

 <スタジオジブリ> 宮崎駿、高畑勲両監督のアニメスタジオとして1985年設立。「天空の城ラピュタ」以降、「となりのトトロ」「もののけ姫」など、宮崎監督の全アニメ作品を製作。2001年公開の「千と千尋の神隠し」が米国でアカデミー長編アニメ賞を受賞するなど、作品は国内外で高い評価を受けている。


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 宮崎駿監督の寄稿文 抜粋
(2013年7月19日 中日新聞)

 憲法を変えることについては、反対に決まっています。選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです。本当にそう思います。

 法的には96条の条項を変えて、その後にどうこうするというのでも成り立つのかもしれないけれど、それは詐欺です。やってはいけないことです。国の将来を決定していくことですから、できるだけ多数の人間たちの意見を反映したものにしなきゃいけない。多数であれば正しいなんてことは全然思っていないけれど、変えるためにはちゃんとした論議をしなければいけない。

 それなのに今は、ちょっと本音を漏らして大騒ぎを起こすと、うやむやに誤魔化(ごまか)して「いや、そういう意味じゃないんだ」みたいなことを言っている。それを見るにつけ、政府のトップや政党のトップたちの歴史感覚のなさや定見のなさには、呆(あき)れるばかりです。考えの足りない人間が憲法なんかいじらないほうがいい。(中略)

 もちろん、憲法9条と照らし合わせると、自衛隊はいかにもおかしい。おかしいけれど、そのほうがいい。国防軍にしないほうがいい。職業軍人なんて役人の大軍で本当にくだらなくなるんだから。今、自衛隊があちこちの災害に出動しているのを見ると、やっぱりこれはいいものだと思います。隊員たちはよくやっていて、礼儀正しい。イラクに行かざるを得なくなっても、一発も撃たず、ひとりも殺しもせず帰って来ました。僕は立派だったと思います。

 湾岸戦争後にペルシャ湾に掃海艇を出さざるを得なかったけど、機雷のなさそうな海域を黙々と掃海して、小さな船です、大変だったと思いますが、静かに帰って来ました。僕はだまっていましたが、感動していました。

 もし本当に戦火が起こるようなことがあったら、ちゃんとその時に考えて、憲法条項を変えるか変えないかはわからないけれど、とにかく自衛のために活動しようということにすればいいんです。立ち上がりは絶対遅れるけれど、自分からは手を出さない、過剰に守らない。そうしないと、本当にこの国の人たちは国際政治に慣れてないからすぐ手玉に取られてしまいます。もし戦争になるとしても、そのほうがまだましだと考えます。(中略)

 とにかく、今までこれだけ嘘(うそ)ついてきたんだから、つき続けたほうがいいと思ってます。整合性を求める人たちはそうすることで「戦前の日本は悪くなかった」と言いたいのかもしれないけれど、悪かったんですよ。それは認めなきゃダメです。慰安婦の問題も、それぞれの民族の誇りの問題だから、きちんと謝罪してちゃんと賠償すべきです。領土問題は、半分に分けるか、あるいは「両方で管理しましょう」という提案をする。この問題はどんなに揉(も)めても、国際司法裁判所に提訴しても収まるはずがありません。

 かつて日本が膨張したように、膨張する国もあります。でも、その度に戦争をするわけにはいかない。そんなことよりも、今は、日本の産業構造を変えていこうというまじめな取り組みをすべきだと本当に思いますよ。こんな原発だらけの国で戦争なんかできっこないじゃないですか。中国が膨張しているのは中国の内発的な問題です。そして、中国内の矛盾は今や世界の矛盾ですから、ただ軍備を増強したり、国防軍にすればけりがつくなんていう問題じゃないと僕は思います。
=スタジオジブリの小冊子「熱風」より抜粋 


ちなみに、
スタジオジブリの小冊子「熱風」は、以下のホームページで公開されています。

小冊子『熱風』7月号特集 緊急PDF配信のお知らせ(2013年7月18日 スタジオジブリ)
『熱風』7月号の特集は「憲法改正」です。
この問題に対する意識の高さを反映したためか、7月号は多くのメディアで紹介され、編集部には「読んでみたい」というたくさんの問い合わせがありました。
しかし取扱書店では品切れのところが多く、入手は難しいようです。今回編集部では、このような状況を鑑みて、インターネットで、特集の原稿4本を全文緊急配信することに決定しました。
ダウンロードは無料、配信期間は8月20日18時までです。
『熱風』2013年7月号特集「憲法改正」(852KB)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


スタジオジブリ公式ホームページ 

 映画「風立ちぬ」オフィシャルサイト 


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7月19日(金)のつぶやき

2013-07-20 01:10:10 | 花/美しいもの

『上野千鶴子が聞く、小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?』上野千鶴子・小笠原文雄共著 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/book/?p=6656


ネット選挙ゼミナール@仙台(6回シリーズ)/6時間目・メール/投票依頼、有権者は禁止 goo.gl/Ck1KQ


東京新聞:<有権者発>生活保護抑制案 各党は?:政治(TOKYO Web) tokyo-np.co.jp/article/politi…


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